フリップ式三つ折りスマホこそ、アクションカムを内蔵するのにピッタリでは？（スマホ沼）

ファーウェイの「Mate XT Ultimate Design」は現時点で唯一、販売されている三つ折りスマートフォン。3月にバルセロナで開催されたMWC 2025ではTECNOもコンセプトモデル「PHANTOM Ultimate 2」の稼働する実機を展示するなど、折りたたみスマートフォンは2つ折りのさらに上を行く製品が増加しそうです。

一方、MWCの直前にはInfinixが縦に折りたたむことのできる三つ折り型の「ZERO Series Mini Tri-Fold Concept」を発表して業界関係者を驚かせました。

InfinixはMWCには出展せず、スタートアップ系イベントに出展しました。私を含め多くのメディア関係者がこの三つ折りフリップフォンを一目見ようとブースを訪問したのですが、残念ながらモックアップすら展示なし。現時点では表に出せる状況ではないとのことでした。

横に折りたたむ三つ折りスマートフォンは、完全に開けば一般的なタブレットスタイルになります。二つ折りスマートフォンは、開けば大画面になるとはいえ形状は、ほぼ正方形。2つのアプリを縦に並べる表示は見やすいものの、全画面を使う場合、全画面動画の上下に空白が生じますし、スプレッドシートの表示もやや中途半端。大きな画面を完全に生かしきれません。一方、三つ折りスマートフォンならPCのようなアスペクト比になるので、オフィス系アプリの使い勝手も高まります。

これに対してフリップ式三つ折りのメリットは、完全に折りたたむと超小型になることです。Infinixはこの小さなサイズを生かした使い方として、バックパックのショルダーベルトへ取り付け、アクションカメラとして使う事例を示しています。

スマートフォンのアクションカメラ化としてはASUSの「Zenfone 9」が出てきた際、純正品として「Smart Backpack Mount」が発売されました、Zenfone 9は5.9インチディスプレイ搭載の小型モデルで、カメラに物理ジンバル機能を搭載。小型スマートフォンの新しい使い方としてアクションカメラを提唱したのです。

残念ながら後継モデルには、この機能が引き継がれることはありませんでした。性能の良いスマートフォンのカメラの活用範囲を広げる意欲的な取り組みだったものの、小型スマートフォンでアクションカメラにするにはやや無理があったのかもしれません。

しかし、Infinixの三つ折りスマートフォンなら、手のひらにすっぽり納まるほど小型です。ここまで小さければアクションカメラ風の使い方も現実的でしょう。「閉じればアクションカメラ、開けば普通のスマホ」として、アクティブ系ユーザーに受けそうです。ただし、当然のことながらカメラには強力な手振れ補正機能が必要。Zenfone 9 / 10のようにジンバル搭載は必須です。

「三つ折りスマホなんていらない」という人もいるでしょう。それは正解です。スマートフォンはすべての製品が、すべての人を満足させるために開発されるわけではありません。これは、ほかのあらゆる日用製品でも同じこと。ZERO Series Mini Tri-Fold Conceptは、超コンパクトにたためるモデルを求めている人のことを考えて開発されているモデルですから、不要と思う人は普通のスマートフォンを買えばいいだけのことです。

“縦Z字型”の折り曲げ構造による、新しい使い方が見つかるかもしれませんね。コンセプトだけで終わらせず、ぜひ製品化してほしいものです。