シャオミの新タブレット、Xiaomi Pad 7 Proには、Matte Glass Versionという光の反射を抑えたディスプレイを搭載したモデルが用意されています。それが気になって仕方ありませんでした。

以前、ファーウェイのタブレット、MatePad ProのPaperMatteディスプレイを紹介したら意外と反響あって驚いたんですよね。
直接、同時に見比べることはできていませんが、Xiaomi Pad 7 ProのMatte Glass VersionもMatePad ProのPaperMatteディスプレイの品質と非常に近い印象です。なんといっても、こちらは日本で買えますからね。
このディスプレイのいいところは、没入感が素晴らしいことです。通常のディスプレイでネトフリ映画などを見ていて場面が暗転すると、自分の間抜けな顔が映り込んで雰囲気が台無しになってしまいます。また、システムをダークモードにしているとバッテリーには優しいですが、やはり写り込みが気になることがありますよね。さらに目にも優しいといった利点があります。
写り込みが気になるならマット系のスクリーンプロテクターを貼るという手もありますが、ガラス自体に反射低減の仕組みがあるほうがコントラストが高く、手触りもガラスそのものなので使用感は比べ物になりません。
同じ思想でアップルがStudio DisplayとMacBook Pro、iPad ProにNano-textureガラスのオプションを用意しています。これはガラス表面に微細なテクスチャをレーザー加工したものです。
シャオミのMatte Glass Version(おそらくファーウェイのPaperMatteディスプレイも)は、AGナノテクスチャリングとAR光学の2層コーティングを施しています。アップルのNano-textureと違い表面コーティングに過ぎないのですが、体験にはどのくらい差あるのでしょうか。
できればタブレット端末同士で比較したかったのですが、私の手元にはMacBook ProのNano-textureモデルしかないので、そちらをXiaomi Pad 7 Proと比べてみました。

▲以降、常に左がXiaomi Pad 7 ProのMatte Glass Version。右はMacBook ProのNano-textureガラス搭載モデル

▲漆黒に浮かぶNetflixロゴ。遠目に見た発色は、どちらもよく引き締まっている。フツーのディスプレイに戻れなくなりそうだわ…

▲Matte Glass Versionは周囲の明るさや角度によって黒が若干、淡く見えることがあるが、それでも通常のディスプレイよりは真っ黒。Nano-texture(右)は、どの角度からも黒が深く沈んだ状態を保つ

▲スマホのライトを当ててみた。Matte Glass Versionに当たる光はNano-textureよりも拡散する傾向

▲白地の発色を比較(MacBook ProはTrue Toneがオン)

▲肉眼ではわからないが、拡大するとMatte Glass Versionのほうが文字にアンチエイリアスがかかっている印象
黒の沈みはNano-textureに敵いませんが、比べなければMatte Glass Versionも十分なレベル。白地はMatte Glass Versionだと多少ザラつく感じがあるものの、通常のディスプレイにマット系のフィルムやガラスを貼ったものよりはだいぶマシです。
結論は「Nano-textureのほうがやっぱスゲーけど、Matte Glass Versionも十分、実用的」というものです。要は金です、金。
最も安価な選択肢
iPad Proの場合、Nano-textureガラスのオプションは1GB以上のモデルでしか選択できず、最安が11インチモデルの28万8800円~と、非常にハードルの高い選択肢となっています。
MacBook Proの場合、全モデルでNano-textureオプションを選択可能で、料金はプラス2万2000円。最安は14インチモデルの27万800円~となっています。
Xiaomi Pad 7 ProのMatte Glassはオプションではなく、ストレージ12GB+512GBモデルのグレーがMatte Glass Versionとなっています。ほかのカラーのモデルは8万1980円ですが、グレーのみ8万4980円と3000円アップしていますが、その程度です。
光を反射しない画面に興味あるけどウン十万も出せないわという方は、Xiaomi Pad 7 ProのMatte Glass Versionを検討してみてはいかがでしょう。スピーカーの音質もよく、10万円未満とは思えないほど高品質な視聴環境が手に入りますよ。