全日本空輸(ANA)は、長距離国際線ボーイング787-9型機にRECARO Aircraft Seating社(以下、RECARO社)の最新モデルシートを導入すると発表しました。
2026年度より順次導入されるシートは、プレミアムエコノミークラスに「Recaro R4」、エコノミークラスに「Recaro R3」が採用されます。

今回の新シートは、ドイツ・ハンブルクで開催中のAIX(エアクラフト・インテリア・エキスポ2025)で発表イベントを行い、メディアに披露。イベントにはRECARO社CEOのDr. Mark Hiller氏やANAの欧州・中東・アフリカ室長 宮川弘之氏らが登壇しました。
Kella氏は、今回のシートがANAとの長年のパートナーシップによって生まれたことを強調。宮川氏は「ANAが顧客に快適な空の旅を提供するためにRECARO社のシートを選定した」と述べ、直近で開設したヨーロッパ線(羽田発、ミラノ・ストックホルム・イスタンブール)にも触れ、ネットワーク拡充と快適性向上への注力を示しました。

プレミアムエコノミークラスに導入される「Recaro R4」は最新の人間工学に基づいて設計され、最高クラスの座り心地と快適性を提供します。シートピッチは従来のシートより2インチ(約5cm)拡大し、40インチ(約101cm)となり、グローバルスタンダードでもトップクラス。リクライニング量も従来のシートより2インチ(約5cm)増え9インチ(約23cm)となり、長時間のフライトでもより快適に過ごせます。




「Recaro R4」の主な特徴として15.6インチの大型モニター、シングルプレートテーブル、アームレスト下のスペース拡大、USB Type-A及びType-Cポート、PC電源、レッグレスト、6wayヘッドレスト、高品質なクッション、読書灯に加え、プライバシーウィング、小物収納スペース、シングルアームフットレストなどが装備されます。
特に、横の乗客の視線を遮るプライバシーウィングは新たな特徴。Bluetoothオーディオ接続も利用可能です。




一方、エコノミークラスに導入される「Recaro R3」も最新の技術と人間工学に基づき設計され、長距離フライトでも快適な座り心地を提供します。33~34インチのシートピッチを維持しつつ、膝元部分の設計改良により、当社従来比+1インチ(約2.5cm)のスペース拡大を実現しています。
リクライニング量は従来のシートより2インチ(約5cm)増え1.5倍となる6インチ(約15cm)となり、快適性が向上しています。これはエコノミークラスシートとして、世界トップクラスのピッチとリクライニング幅です。




「Recaro R3」の主な特徴として13.3インチモニター、2インチまでリクライニングするコンフォート+アームレスト、快適性を重視したコンフォート+クッション、6wayヘッドレスト、カスタマイズされたシートポケット、片手で操作可能なテーブルラッチ、リアマウントフットレスト、カップホルダー付きシートテーブルなどが装備されます。
最新式のタッチ式モニターを採用したことにより、従来装備していたコントローラーが廃止され、軽量化が図られています。





エコノミークラスでもUSB Type-A及びType-Cポート、AC電源(3席で2個)、Bluetoothオーディオ接続が利用可能です。特にエコノミークラスの深いリクライニングは、シートピッチ34インチを維持しているからこそ実現可能であり、新たなスタンダードとなると期待されています。また、腰回りのフィット感が向上し、包み込まれるような座り心地が追求されています。
両クラスとも最近のトレンドをおさえて、Type-CとBluetoothオーディオに対応しているのはうれしいポイント。特にBluetoothオーディオは、自前のノイズキャンセリング付きのヘッドホンやイヤホンが使えるので、機内での滞在がより快適にすごせそうですね。
ANAは、今回の新シートをボーイング787-9型機19機(増機3機、改修機16機)に順次導入する予定です。なお、ビジネスクラスの新シートについては、6月にパリで開催されるパリ航空ショーで発表される予定です。
※画像はすべてANA提供