私は大きな公園のそば(外側)に住んでいるのでランナーをよく見かけるのですが、Shokzを着けている人が本当に増えたなーと実感しています。ジロジロ見ててヤバい奴かもですが……。

Shokzといえば、骨伝導。私も実機を試し、ほかとは代え難い快適さを知っていました。OpenDots ONEはShokzがリリースする初のイヤーカフ型完全ワイヤレスイヤホンということで、気にするなというほうが無理な話……ですが、なかなかレビュー&支援する気になれませんでした。理由は以下。
クラファンがすでに1.4億越え(原稿執筆時、約14000%)
著名ブロガー、YouTuberが大体レビュー済みかつ褒めまくり
そしてクラファンのページにレビューを埋め込みすぎ
SNSで広告が出まくって情報量的に食傷気味
特に4つめ。皆さんも似たようなターゲティングをされているでしょうから、この記事が出てきたのでしょう。いいんです、閉じていただいても。
ただ、そうなってくるといよいよやはり自分でしっかり試さないと、この製品の第2弾・第3弾が出た際に置いてけぼりになってしまいそうだなと思い、今更ですがお願いして試用の機会をいただきました。
これまでイヤーカフ型ワイヤレスイヤホンをたくさん試してきましたが、私が常用しているのは昨年、本誌の勝手アワード、ベストバイに選出したファーウェイのFreeClip。周囲にも愛用者が多く、スペックや値段(2万8000円前後)も近いので、こちらと比較しながら感想を述べさせていただきます。

▲左OpenDots ONE、右FreeClip
装着感・デザイン
OpenDots ONEはJointArc、FreeClipはC-bridgeという名称が付いていますが、どちらも形状記憶合金+シリコンコーティングという同じ手法で、耳のふちを挟むデザインを採用しています。メガネとも干渉せず、手軽にサッと耳に装着できる点は、どちらが優っているということはありません。左右の区別がなく、どちらの耳に装着しても左右を自動で判別するし、片耳だけでも使用できます。これがメチャクチャ便利なんですよね。見た目のオシャレ感は、FreeClipのほうがいいような気がします。

OpenDots ONEの片耳の本体重量は6.5gなのに対し、FreeClipは5.6グラムとより軽量。両方とも半日以上、装着して過ごしてみましたが、重さには関係なく、時間が経つにつれ少しずつ痛みを感じました(個人差あると思います)。インナーイヤーに比べれば、全然長時間いけますが、とはいえずっとは疲れるなと……。また、OpenDots ONEはFreeClipより若干、耳の奥にスピーカーが入り込んでる感覚があり、より圧迫感を感じました。

音質・音漏れ
OpenDots ONEはドルビー(Dolby Audio)に対応していて、オンにするとANCかと錯覚するくらい(家では)没入感が増します。中低域がグッと上がる感じで、思わず「ワオ」と言ってしまいました。デフォルトでオンにすればいいのにと思いましたが、バッテリーの持ちや音漏れに影響するのでしょうね。
ドルビーをオンにしなくても、音質はFreeClipよりいいと感じます。付け心地のセクションでも書いた通りスピーカーの位置自体が鼓膜に近いので、OpenDots ONEのほうがより小さな音量でも解像感の高い音が届きます。欲をいうとコーデックがLDACにも対応してほしかった気もしますが、十分に素晴らしい音質といえます。
音漏れに関してはプリセットEQの“プライベート”を選択すると、ほぼなくなりますが、このモード、外だと自分もあまり聞こえません。通常モードではFreeClipと差はなく、どちらも音量半分で近くの人に内容まではわからない程度の音漏れがあるといった具合です。
操作・接続性
私自身はイヤホンのタップ操作はあまりせず、スマホやウォッチ側ですることが多いのですが、レビューなのであえて。OpenDots ONEのほうが耳にしっかりと固定されている感じがあり、FreeClipのようにタップ時に外れてしまいそうな危機感がありません。また、耳の裏側をつまんでの操作もできるので、タップによる誤操作が気になる方は、どちらか一方のみを反応するようにも設定できます。実際、私はつまみ操作のみにしています。

専用アプリは、どちらもシンプルで使いやすいのですが、FreeClipのアプリはAndroid版がGoogle Playから入手できず、APKをダウンロードする必要があるというのが残念。iPhoneユーザーは問題ありません。
接続性は、OpenDots ONEもFreeClipも差がないと感じます。どちらも非常に安定していて、移動中に途切れることはありませんでしたし、マルチポイント接続の移行もスムーズ。この辺りはドライバーが成熟しているのでしょうね。
バッテリーの持ちですが、OpenDots ONEを1日使いまくった夜、残量を見たら90%以上あったので、ベンチは諦めました。公称値はOpenDots ONEが最長40時間、FreeClipが最長36時間となっていますが、FreeClipもバッテリーで困ったことがないので、両者引き分けとさせてください。
まとめ
装着の快適性やオシャレ度でFreeClipに譲る部分はあるものの、イヤーカフの利点を活かしつつ高音質を楽しめるOpenDots ONEは、イヤホン飽和状態の現代に、また新しい体験をもたらしてくれる画期的な製品だなと思いました。実際、すっかりAirPodsを使わなくなってしまいました。オンライン会議もライブ配信も、だいたいコレ着けてやっています。
OpenDots ONEの販売に関しては、GREEN FUNDINGで2025年3月18日から先行販売が行われており、一般販売価格は2万7880円ですが、先行販売で最大20%の割引価格で入手できます。カラーはグレーとブラックの2色展開で、GREEN FUNDING限定のオリジナルサコッシュ付きプランも用意されています。

というわけでOpenDots ONE、とってもおすすめなのですが、いい製品なんだから宣伝しすぎも逆効果ってことないかしらと(余計なお世話でしょうけど)、そんなことを考える機会でもありました。
本記事に関しても、日本ネット3大魔境と言われるヤフコメに「コイツもどーせもらったから褒めちぎっている」とか書かれていることでしょう。実際、ほかのレビュワーの方と同様に、こちらは返却不要なサンプルとしてご提供いただいています。とはいえ、レビュー記事の掲出は強制されたものではなく、私も書きたくなったから好き勝手に書いたにすぎません。ご参考まで。