
公益財団法人鉄道総合技術研究所、東日本旅客鉄道株式会社、ソニー株式会社が開発に携わった非接触ICカード出改札システム(図1)が一般社団法人電気学会第18回電気技術顕彰でんきの礎として顕彰されましたので、ここにお知らせします。授与式は、2025年3月19日に明治大学駿河台キャンパスアカデミーホールで行われました(図2,3)。
本システムは、現在、交通系ICカードシステムとして広く社会に普及していますが、開発を開始した1987年当時、鉄道の自動改札機では磁気乗車券が使われており、非接触カードは日本ではごく限られた用途でしか使用されていませんでした。首都圏においてラッシュ時に旅客が立ち止まることなく通過できる通信距離及び処理時間を実現し、非接触電力伝送、無線通信、更にリトライ技術やセキュリティ対策を備えた本システムの開発・導入は、円滑な改札機通過だけでなく、本システム導入事業者の拡大により複雑な路線使用時の利用者の負担を大幅に軽減し、交通機関の利便性を格段に向上させました。また、本システムの電子マネー機能は全国の商業施設等へ普及し、社会の電子決済の発展に大きく貢献しました。これらが評価され、今回の顕彰につながりました。
第18回電気技術顕彰「でんきの礎」
[顕彰名称] 非接触 IC カード出改札システム
[カテゴリー] モノ
[顕彰先] 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 東日本旅客鉄道株式会社, ソニー株式会社
[顕彰理由] https://www.iee.jp/file/foundation/data07/press/press18-all.pdf

図1 試作の非接触ICカードと出改札機

図2 第18回でんきの礎 授与式

図3 授与式に出席した顕彰先代表者(鉄道総合技術研究所川崎邦弘(中央)、東日本旅客鉄道株式会社石本秀(右)、ソニー株式会社飯野智彦(左))
【電気学会 でんきの礎 -振り返れば未来が見える-】
電気技術の顕彰制度『でんきの礎』は、「21世紀においても持続可能な社会」を考える上で、20世紀に大きな進歩を見せ、「社会生活に大きな貢献を果たした電気技術」を振り返り、その中でも特に価値のあるものを顕彰することによって、その功績をたたえるものである。これによって、その価値を広く世の中に周知し、多くの人々に電気技術のすばらしさ、おもしろさを知ってもらい、今後の電気技術の発展に寄与させることを目的とする。
(出典:電気学会ホームページ:https://www.iee.jp/foundation/select/)
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