KDDIは本日7月4日20時に記者会見を開催し、7月2日から発生していたauの通信障害について、現時点で「ほぼ」復旧したとの認識を示しました。
影響エリアは全国、影響回線数は最大で3915万、うち個人・法人向けスマートフォンと携帯電話が3580万回線に及ぶ大規模かつ長期間の障害でしたが、KDDIによれば7月4日14時51分の時点で流量制限を解除し、「ほぼ」復旧に至ったとしています。
この「ほぼ」はまだ残り何%は障害が残っているという意味ではなく、復旧作業は完了しサービスは回復している認識ではあるものの、個人および法人向けとも影響がある大規模な障害であったため、すべてのサービスが問題なく稼働しているかについて引き続き検証した後に完全復旧を宣言する計画のため。完全復旧宣言は明日の夕方になる見込みです。
auの障害情報でも、「全国的にほぼ回復しています」なのに「(現在、ネットワーク試験の検証を行っており、) 本格再開時間は別途、ご案内いたします」であったり、「2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中」表記なのはこのため。
このため、もし現時点で音声通話ができない・データ通信ができない問題があるとすれば、ユーザーの端末の問題か、あるいは今回の大規模障害とはまた別の問題が発生している可能性が高いことになります。(もちろん、KDDIの認識が誤りで何らかの障害が残っている可能性もゼロではありませんが)。
とりあえずは端末やアプリを再起動してみたり、通信量で制限がかかっていないか確認してみましょう。
障害発生の原因、および対応については、昨日までの発表のようにVoLTE交換機での輻輳発生と加入者DBの過負荷、データ不一致発生としています。
しかし前日の会見時点では、流量制限による負荷低減と障害箇所の切り離し・セッションリセット等の対策を実施し、3日17時30分をもって普及作業完了としていたものの、その後の試験・検証で新たに18台中6台のVoLTE交換機が加入者DBへ不要な過剰信号を送出していることが判明。4日(月)の12時18分~13時18分にかけてこの6台を切り離す措置を実施したのち、4日14時51分をもってすべての流量制限を解除したことを明らかにしました。
つまり日曜17時30分時点で対応完了、段階的に復旧できる見込みであったところ、実際にはまだ原因が残っており、対応のため本日に至っても流量制限を継続し音声通話がし辛い状況が継続していたことになります。
現時点ではこの故障が発生したVoLTE交換機を切り離し残りの12台でサービスを提供しているものの、冗長性確保のための体制であり設備容量としては問題ないとしています。
3日間におよび大きな範囲で通信障害が発生していた重大事故について、個人・法人に対する補償については改めて別の場で発表するとしています。