これまでアップルの定額制ゲームサービス「Apple Arcade」は品ぞろえが増える一方という印象がありましたが、7月半ばに「まもなく配信終了のゲーム」として15本が告知されて驚きを呼びました。
配信終了になったゲームをダウンロード済みの人は、いつまで遊べる? 手間ひまを掛けて育てたセーブデータはその後使えなくなる? また消えたゲームは、製品版としてApp Storeに復帰することもありうるのか。そうした諸々の疑問に対して、アップルが公式サポート文書で答えています。
まずArcadeでの配信終了までにダウンロードしていたゲームは、その後少なくとも2週間はプレイできるそうです。もしも期限を過ぎて遊べなくなれば「利用できなくなりました」とサヨナラを告げるメッセージが表示されます。
また配信終了になったゲームも、その開発者がApp Storeに再公開する場合があり。もっとも、それはArcade版とは異なることがあり、開発元がセーブデータを読み込めるようにした場合にかぎり、Arcade版のプレイ状況が引き継げるとの趣旨が説明されています。
立ち上げ直後の最初期こそApple Arcadeオリジナルゲームで占められていましたが、昨年夏あたりから元々App Storeに公開済み(ないし予定だった)ゲームが、有料DLCなどを削ったバージョンを提供する例が増えていました。たとえば『悪魔城ドラキュラ Grimoire of Souls』も、2019年にカナダ国内で配信された版は課金ありでしたが、Arcade版ではなくなっていました。
そうした要素を改変したバージョンは、改変前とは別のゲームといってよく、特に開発元が読み込みシステムを用意しない限りセーブデータは流用できないはず。アップルの説明は、一般論を改めて確認しているに過ぎません。
なぜ、アップルはApple Arcadeから一部ゲームを消すのか。米MacRumorsの情報筋によれば、アップルは多くの開発者と3年契約を結んでおり、そのうち一部は契約満了が近づいても更新されないためだそうです。たしかにApple Arcadeの立ち上げは2019年9月であり、今年9月頃に一部が消えるとすれば計算が合います。
そもそもアップルが一部ゲームの契約を打ち切りたい気配は、2年以上前(つまりApple Arcade立ち上げから数ヶ月後)からうかがわれていました.。まだ開発中のゲームについて、期待する「エンゲージメント」(ユーザーとアプリの関わる程度)の域に達しそうにないから、公開前に契約を打ち切ったという具合です。
アップルが苛立つ背景には、1本に100万~500万ドルの資金を提供したタイトルがあるというのに、どれも大ヒットには至らず、加入者数が予想ほど伸びてない事情があると伝えられていました。Apple Arcadeの売上や加入者数は公開されておらず、それらは風の噂や憶測にすぎませんが、そろそろ「ひたすら数を集める」よりも少数精鋭に方針を転換するのかもしれません。
ちなみに、配信終了となるゲームは次の15本です。いつApple Arcadeから消されるかは不明ですが、遊べる内に遊んでおくことをおすすめします。
Dread Nautical
少女とエルダーツリーの秘密
Towaga: Among Shadows
バトルスカイブリゲード:ハープナー
Lifeslide
Over the Alps
Cardpocalypse
Various Daylife
Dead End Job
Spidersaurs
EarthNight
Spelldrifter
Projection: First Light
Don’t Bug Me!
Explottens