周辺機器メーカー UpSwitchが、ニンテンドースイッチの画面を3倍広くすると謳う合体式モバイルディスプレイORIONの一般販売を開始しました。
ORIONはニンテンドースイッチを接続して使う11.6インチのモバイルディスプレイ。と書けば普通ですが、スイッチ本体を背面に収納できること、ディスプレイの左右にJoy-Conグリップがあることで、合体すれば大画面スイッチのように携帯モードでも使えることが特徴です。
背面の合体、というより搭乗部分。人間がヒューマノイドロボットに乗り込むような、背面ハッチを開けてコックピットに収まるような相似形マトリョーシカ感があります。
左右のジョイコンを持てば、携帯モードで遊べる夢の大画面スイッチが実現するという発想です。
発想は理解できるとして、やはり実装上運用上のトレードオフも色々とございます。まずは重量が約680gほどあり、400g前後のスイッチ本体を合体すると1kgを超えること。
また電源を備えないため、スイッチへの給電とORION自体が稼働するためモバイルバッテリーを背負う、またはUSB-Cで有線接続する必要があります。モバイルバッテリーの重さにもよるものの、携帯モード運用時の重量は概ね1.3kg程度。膝に乗せて安定すると考えればまあアリかもしれません。
携帯モード以外にも、ORION本体背面に標準装備するスタンドで立たせてテーブルモードでも利用可能。HDMI端子を備えるため、スイッチ以外のゲーム機等を接続する単なるモバイルモニタとしても運用できます。
そのほかの仕様は、本体にステレオスピーカー(背面上部の左右に、真後ろ向きに搭載)、ディスプレイ解像度は720p (1366 x768)、ヘッドホン端子など。
ORIONは昨年、クラウドファンディングサイトIndiegogoのキャンペーンで実現した製品。そちらで既にサンプルやバッカー向けには発送していました。今回の一般向け販売では、約束した市販価格の299ドルで販売します。
モバイルモニタ、ポータブルディスプレイは競争が激しく急速に進歩している分野で、鮮やかな有機ELパネル採用や超薄型軽量な製品、薄型バッテリー内蔵、マルチデバイス対応、高リフレッシュレートなど様々な製品がひしめいています。
携帯モードを常用はしないにしても、いざとなったら合体して巨大スイッチにもなるネタ性能のあるモバイルディスプレイは面白い発想ですが、解像度がいくらなんでも低いこと、バッカーの反応からはディスプレイ自体の品位が高くないことは残念な点。ここはやはり、任天堂に画面がデカくなったSwitch Pro XLを投入してほしいところです。