Metaのザッカーバーグが、 VRヘッドセットMeta Quest の新モデルを10月に発表することを明らかにしました。
ゲスト出演したPodcast番組 The Joe Rogan Experience のなかで、次の(VR)デバイスは10月に登場する、視線や表情トラッキング、高度なAR機能に対応し、メタバースで人とアイコンタクトができるようになると語っています。
Metaは昨年秋のイベント Connect 21 で、開発中の高級VRヘッドセット Project Cambria をティーザー公開していました。またアプリの解析などから、未発表のVRヘッドセット「Meta Quest Pro」の名称も見つかっています。
開発中の新VRヘッドセットは2022年発売と予告済みであること、番組中で説明された特徴などから、ザッカーバーグが10月発表と予告した製品はこの Project Cambria / Meta Quest Pro (仮)であると考えられます。
Meta Quest Pro (仮) は、現行の Quest 2 より機能も価格も大幅に上になる次世代VRヘッドセット。Meta は Quest 2 の後継となる新製品 (Quest 3) も開発中とされていますが、Quest Pro (仮)はまた独立した上位モデルの位置付けです。
特徴は新設計の薄いレンズを採用し本体が Quest 2よりも薄く(短く)なること、さらに高精細で高画質なディスプレイ、内側向きの赤外線センサやカメラでユーザーの注視点や表情までトラッキングできること、外向きカメラの映像をリアルタイムに表示して外が見えるビデオパススルーに仮想のオブジェクトを重ねる高度なAR機能に対応することなど。
視線トラッキングで映像品質も向上
視線トラッキングは、ソニーが2023年初頭に発売する PlayStation VR2 も搭載予定の機能。表情トラッキングとあわせてアバターに反映すれば、被り物や人形のような現在のアバターがもっとリアルに表情豊かになり、どこを注目しているか、どんな反応をしたか伝えられるようになるため、Metaが重視するメタバースでのコミュニケーションに大きな意味を持ちます。
VRゲームのキャラクターがプレーヤーの目線や表情に反応する演出や、視線を使ったユーザーインターフェースも実現可能です。
VRヘッドセットにとっては、ユーザーが注視する点は高精細に、周辺視野は粗く描画することで、体感上の映像品質を維持したままグラフィック処理を軽減できる Foveated レンダリングが可能になる点も重要。同じ処理性能でグラフィック品質を向上したり、バッテリー駆動時間を延長できることになります。
(現行の Quest 2 でも、正面を見た際の中心あたりがもっとも細かく、周辺に近づくと粗くなる Foveated レンダリングを導入していますが、固定式なので顔を動かさず目線だけで端の方を見ると明らかにぼやけることが視認できてしまいます)。
価格も性能もQuest 2を大きく超える製品
Meta Quest 2 は販売価格が製造費用を大幅に下回る「逆ザヤ」状態の戦略的な価格設定で発売し、今月になって値上げしましたが、Meta Quest Pro (仮)は昨年の時点で、Quest 2 よりも大幅に高価な製品になることを予告していました。
MetaがQuest 2を大幅値上げ、3万7180円が8月から約6万円。製造・出荷費用上昇を挙げる
Quest 2 は128GBモデルで5万9400円、256GBモデルで7万4400円。Quest Pro (仮)は少なくとも10万円は軽く超えてくることになりそうです。
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