iPhoneやiPadで使える3Dスキャナアプリ Scaniverse が、LiDARセンサを搭載しないデバイスでも使えるようになりました。
最新のバージョン2.0では、従来は非対応だった iPhone XS以降や、過去4年間に出たほとんどのiPadに対応機種を拡大しています。
Scaniverse はスマホカメラのような手軽さで、モノや環境を高精細テクスチャつき3Dモデルとしてキャプチャできるアプリ。
iPhoneやiPadを動かして撮ることで、食べ物から自動車、広い部屋全体まで全体をまるっとスキャンして3Dモデルとして保存できます。
撮った3Dモデルはぐりぐり回る動画にしたり、3DモデルのままiPhone / iPadどうしで共有したり、ARで好きな場所に配置して写真を撮ったり、あるいはPCに転送してメタバースの自宅に飾るといったことも可能です。
Scaniverse はもともと基本機能が無料、高解像度やエクスポートなど高度な機能は有料サブスクのアプリでしたが、昨年8月にポケモンGOやピクミン ブルームのナイアンティックが買収したことで、誰でも無料で全機能が利用できるようになっていました。
「誰でも」と言いつつ、従来は iPhone 12 Pro以降のProモデルや、最新の一部のiPadなど、奥行きセンサの LiDARを搭載した端末のみ対応でしたが、今回のアップデートでこれまで非対応だった iPhone XS以降のiPhoneや、多くのiPadで使えるようになりました。
このアップデートはNianticの研究部門が開発した、2D画像から奥行きを推定する ManyDepth 技術によるもの。ナイアンティックはARアプリのためのクロスプラットフォームな開発プラットフォーム Lightship を広く公開するなど、「リアルワールド・メタバース」と称するAR技術に注力しており、現実世界を詳細な3Dモデルとして取り込む技術はその要となります。
Scaniverse の楽しみ方としては、気に入ったモノや場面を平面の写真だけでなく、あらゆる方向から眺められる立体物として記録しておきたい「ポリゴンで撮れるカメラ」的に使うこともできれば、そのまま送り合ってシェアしたり、ARで好きな場所に並べることもできます。
特に iOS / iPadOS では、3Dモデルのファイルフォーマット USDZ をOS側がサポートするため、多くのアプリからそのまま3Dモデルを開いたり、ARビューに移行できます。
つまり Scaniverse で撮ってシェアを選び相手に送れば、わざわざ3Dアプリ等をインストールしてもらうまでもなく、相手側でも画像をタップするように3DモデルやARとして手軽に見られます。
もちろん3Dモデルから動画を作ったり、ARを改めて撮影して、SNSなどに投稿することもできます。
他の3Dスキャナアプリと比較した魅力は、手軽に高精細な3Dモデルが取得できること、スマホアプリ側で邪魔な部分のクロップやテクスチャの編集など基本的な操作ができること、そして全機能が無料なこと。
さまざまなフォーマットでのエクスポートも無料なので、PCで3D編集アプリを使っている場合、取り込んでノイズを掃除して本格的な3Dモデルを作る素材にしたり、お気に入りのアプリに取り込んで使うこともできます。
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