アクションカムの老舗であるGoProから新製品「GoPro HERO 11 Black」が9月14日に登場。その1時間前には最強ドローンメーカーDJIが三代目GoProキラー「DJI Osmo Action 3」を投入してきました。9月8日にはInsta360が360度カメラ新製品「Insta360 X3」を投入しています。アクションカム三国時代がやってきたと言っていいのではないでしょうか。
これら3社に共通するのは、動き回りながら被写体を撮影するときにどうしても生じてしまう揺れを物理的に打ち消すジンバル(スタビライザー)を電子的に処理していること。重いジンバルなしで安定したシーン撮影ができる技術として、GoProはHyperSmooth 5.0、DJIはRockSteady 3.0、Insta360はFlowStateと、それぞれブラッシュアップしてきました。
ではまずGoPro新製品から。
GoPro 11 BlackとGoPro 11 Mini
GoProは9月14日、2製品を発表しました。主力製品は従来「HERO Black」ラインでしたが、これを「Black」に縮め、製品名は「GoPro 11 Black」とシンプルに。新型イメージセンサー(8×7)搭載、動画性能は5.3K60フレーム、4K120フレーム、10ビットカラー、低温動作性能を高め動作時間が38%増えたEnduroバッテリー、手ぶれ補正のクロップを最小に抑える自動ブースト、水平を維持する水平ロック機能投入といったところが特徴です。
ハイライトビデオを自動的に作成し、スマートフォンに送信する、縦型動画に対応しやすい8:7アスペクト比など、SNSへの対応も充実。
価格は78,000円と前モデルの64,000円からすると高くなっていますが、年間サブスクリプションに入っていれば62,000円で買えます。
もう1つのGoProは「GoPro 11 mini」。以前は「GoPro Session」という小型モデルがあったのですが、長らく待たれていた、Session後継とも言える製品です。ディスプレイなしですが、5.3K60フレームや手ぶれ補正など基本機能はそのままに小型化し、指で引き出してマウントできる機構は2箇所に備えるなど便利そう。バッテリーは内蔵Enduro。こちらは10月25日発売で、価格は48,000円です。
DJI Osmo Action 3
DJIのGoPro対抗アクションカム「DJI Osmo Action」はGoProにかなり寄せたデザインでした。第2世代の「DJI Action 2」(Osmoが取れた)は磁石とラッチによる合体分離機構を使ったものでしたが、今回発売の第3世代機「DJI Osmo Action 3」はOsmoとともに初号機のスタイルが戻ってきました。
ボディは単に先祖返りしただけではなく、第2世代機のマグネット&ラッチを取り入れて、簡単に脱着できるクイックリリース機構を搭載。指で引っ張り出してネジを回す必要のあるGoProマウントより進化した選択肢を与えています。付属の保護フレームを使えば縦型装着も可能。
1/1.7インチセンサーによる映像は4K120フレーム。GoPro同様に耐寒性能は向上。耐水性能も水深16メートル防水となっています(GoPro 11は水深10メートルまで)。
前面タッチスクリーン追加で自撮りがしやすくなっています。全体として145gと少し重くなっているので、より軽量コンパクトでカメラユニットだけにもできるAction 2の出番は今後も続きそう。
Insta360 X3は全天球カメラなのでGoPro 11やAction 3とは違うジャンルですが、360度動画から切り出したスタビライザー処理の安定度合いは頭抜けていますし、アクションカムとしての使い勝手や価格帯は十分にGoProやDJIのライバルと考えていいでしょう。
お手頃価格の「Insta360 X3」の上位にはライカコラボ「Insta360 ONE RS 1インチ360度版」もあります。Insta360 ONE RS自体はDJI Action 2のようなモジュラー構造になっていて、普通のアクションカムとしても使えます。
Insta360 X3発表。360度アクションカメラが大型センサやタッチ画面でさらに進化 | TechnoEdge テクノエッジ
9月16日発売のiPhone 14ファミリーには強力な電子ジンバル「アクションモード」が搭載されているので、アクションカム界隈ではさらなる熾烈な戦いが起きそうです。
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