セガのゲームクリエイター、小玉理恵子氏が2022年5月に逝去していたことが分かりました。
小玉理恵子氏は1963年生まれ。デザイン専門学校を経て1984年にセガに入社後、セガ初の家庭用ゲーム機SG-1000向け『チャンピオンボクシング』のキャラクターを皮切りに、セガ・マークIII、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャストと、セガ家庭用ゲーム機の歴史とともに多数の作品を手掛けました。
ごく一部を挙げれば、『アレックスキッド』シリーズ、『ファンタシースター』シリーズ、『ソニック』シリーズ等々。
ゲーム開発の規模が現在とは比較にならないほど小さく、分業化も進んでいなかったことから、非常に多くのタイトルでキャラクターデザインに留まらず様々な部分を担当しています。
ゲーム開発者が実名で発信することの少なかった時代には、「フェニックスりえ」の名でファンに親しまれました。
ディレクターとしてはメガドライブの『ファンタシースター 千年紀の終わりに』(IV)やサターンの『魔法騎士レイアース』、プロデューサーとしてはサターンの『DEEP FEAR』(海底のバイオハザードみたいなやつ)、ドリームキャスト『エターナルアルカディア』、そしてセガが家庭用ゲーム機から撤退した後は他社プラットフォームで『セブンスドラゴン』シリーズ等を送り出しました。
2019年には功績を讃え、ゲーム開発者カンファレンスGDCのパイオニアアワードを受賞しています。
ごく最近にもニンテンドースイッチ版『SEGA AGES』のプロデューサーを務められたり、メガドライブミニなどセガ過去の遺産が脚光を浴びるタイミングでご出演や発言も多かっただけに、急なできごとにはただ驚き寂しいばかりです。
とはいえ、残された我々にとっては幸運にも、小玉さん、あるいはフェニックスりえさんの遺した作品の数々は現在でも手にしやすい形で、今も赫々と輝きを放っています。起動するたびに往時の楽しさを何度でも蘇らせてくれるはずです。
小玉(略) それぞれのタイトルを手掛けたときは、当時の自分なりの100%の全力を尽くしているので、「これをやっとけばよかった」みたいな後悔はないんです。(しばらく考えてから)こういうとみんなから怒られちゃうけど、毎回が遺作になってもいいつもりで作っているんですよ。
――遺作ですか!
小玉本当にそれくらいじゃないと気持ちのこもったものは作れないので、毎回「これが最後だ」というつもりで作っていました。
(GDC アワード パイオニア賞受賞記念インタビュー、セガゲームス 小玉理恵子氏がゲーム開発に刻んだ足跡を振り返る より)
りえさん、ありがとうございました。