イーロン・マスクによる買収でTwitter運営の混乱が話題ですが、Twitterで問題が起きるたびに何度も浮上してきた分散型(脱中央集権的)オープンソースSNSの「マストドン」(Mastodon)が11月15日にメジャーバージョンアップし、4.0となりました。
GitHubで公開されたチェンジログはこちら。
バージョン4では投稿の自動翻訳、言語別のフォローフィルター、ハッシュタグのフォロー、投稿可能なファイルタイプにWebP、HEIC(iPhoneカメラの標準フォーマット)などが追加されるなど、多数の機能追加が行われています。
マストドンは誰でも自分でサーバを持って独自ルールによる運営・モデレーションができます。使い勝手はTwitterに似ているため、移行は比較的簡単。特定の趣味や地域に応じたサーバも多数あります。なければ自分で立てることも可能です(ホスティングサービスもあります)。
マストドンは、ドイツ在住のオイゲン・ロチコさんが開発し、現在は日本を含む多数のコントリビューターが開発に協力しているオープンソースプロジェクト。分散型SNSのプロトコルであるActivityPubに準拠しており、同標準をサポートするGNU social、Misskey、PeerTube、Pleromaといった分散型SNS同士が相互接続できるようになっています。
マストドンが最初に話題になったのは2017年。その後、ピクシブ、ドワンゴといった大手企業が運営するマストドンサーバはいずれも別の運営に渡るなどしましたが、中小サーバには生き残っているところもあります。ちなみに筆者が運営に関わっているグルドンというマストドンサーバは5年以上安定して運営を続けています。
WebブラウザメーカーのVivaldiもマストドン参入
11月15日には、Webブラウザメーカーとして知られているVivaldiが自前のマストドンサーバ「Vivaldi Social」をスタートしたと発表しました。
Vivaldiはメール、カレンダー、フィードリーダーを備えたPC用ブラウザで、これにSNSを加えることで、ビッグテックの代替となることを目指すとしています。
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