NASA「アルテミス I」、有人飛行用宇宙船として最も地球から遠くに到達 アポロ13号を抜く

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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有人飛行用に設計された宇宙船が到達した最も地球から遠くに到達した記録はこれまで、アポロ13号の司令船「Odyssey」による、地球から40万171kmの地点でした。

NASAが今月打ち上げた「Artemis I」ことOrion宇宙船は、日本時間11月16日午後22時40分頃にこの距離を更新し、新記録を達成しています。

アポロ13号といえば、1995年のハリウッド映画作品を思い出す人もいるでしょう。作中でも描かれたとおり、アポロ13号は機械船部分に設置された酸素タンクのひとつが電気系のトラブルから爆発してしまったために、月面への着陸を諦め、月の裏側を回って帰還する自由期間軌道を使って、奇跡的に地球への帰還を果たしました。

そしてこのとき、アポロ13号は他の月面ミッションよりもおよそ100kmほど月から遠い軌道を回って帰還したため、地球からの距離が有人宇宙飛行として最も遠く離れた位置に達しています。この記録はギネス世界記録に認定されています。

今回のArtemis Iの飛行ルートは、もちろんアポロ13号の記録を破るために設定されたわけではありません。NASAはOrion宇宙船へのストレステストを実施するためにDRO(Distant Retrograde Orbit、遠方逆行軌道)と呼ばれる軌道を選びました。この軌道はArtemis Iミッションのみで使用される計画で、以降では別の軌道が使用されます。

なお、Orion宇宙船はDROに長くとどまるわけではありません。今後の具体的なスケジュールとしては、12月1日には軌道を離れ、5日に月面フライバイを実施して、12月11日に地球に帰還、サンディエゴ沖に着水する予定です。

《Munenori Taniguchi》
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