イーロン・マスクのプライベートジェット航路をツイートするアカウントである@ElonJetと作者が、位置情報を晒すなという後付けのルール変更で凍結され、そのアカウントがTwitter代替を目指す分散型SNS、マストドンサーバの一つに移行して情報発信を続けています。イーロン率いるTwitterは、こうした動きを伝えた別のジャーナリストまで凍結開始。
そこで終わりかと思いきや、Twitter上にあるマストドン公式アカウント@joinmastodonも凍結され、さらには主要なマストドンサーバ上での投稿やサーバのURLがTwitterで表示不可になったことで、事態は急展開。
そしてついに、筆者が運営にかかわっている小規模なサーバ(4690人くらい)にまで影響が及ぶに至りました。サーバのURLも、個別の投稿へのリンクも貼れなくなっています。投稿できていた頃の、サーバURLを含むツイートからリンクを踏むと、「警告:このリンクは安全ではない可能性があります」と表示されます。
Pawooやmstdn.jpなどの大手サーバは軒並み同様の状態にあります。大きいものだけかと思いきや、筆者が夢の中で妻と会話した記録を取るだけの、2ユーザーのみのマストドンサーバも、ホスティングサービスとともに危険サイト扱いされています。一方、同じActivityPubで連合している他の非中央集権型SNS、MisskeyやPleroma、GNU socialなどは影響を受けていないようです。
Twitterをはじめとする大手SNSは、マストドンが生まれた5年前からこれまでの間、我関せずを貫いてきていましたが、ここにきて様相が変わってきています。イーロン・マスクによるTwitter買収をきっかけに、分散型ソーシャルネットを構築できる標準プロトコルであるActivityPubをTumblrが採用すると発表し、WebブラウザメーカーのVivaldiが独自にマストドンサーバを立てるなど、マストドンを中心とした、Twitter代替目指す「合従」が起きつつあります。
だからその芽を摘んでおく、という意味があると思いたくなりますが、ActivityPubによって自分のサーバでなくてもElonJetマストドンアカウントを購読することはできるので、イーロン曰く「危険な情報」が広まる可能性の高いものは切っておこうという考えなのかもしれません。
で、サーバ管理者として困ったかというと、今のところ、そんなことはありません。Twitterなどからの流入を避けるために、入り口はちょっとわかりにくくしていますし、自サバの投稿をTwitterに流すこともほぼありません。それでも、いつかはTwitterがActivityPubを実装して、すべてのSNSが繋がるような時代が来るかも、という妄想は妄想のままで終わることがほぼ確定となってしまいました。
TumblrがActivityPubを実装し、マストドンサーバとつながるようになったら、それも遮断するのでしょうか。