Twitterとの間で、Apache Druidをベースとする独自ソフトウェアのライセンスおよび保守サービス契約を結んでいるソフトウェアベンダー Imply Data が、2024年9月いっぱいまで期間の残る契約に対する支払いが拒否されたとしてTwitterを訴えました。
訴訟に関する文書では、ImplyとTwitterは4年以上前に最初の契約を結び、以来TwitterはImplyの製品および関連する保守・サポートサービスに満足してていたため、両社は同契約を2021年10月から新たに3年間、2024年9月30日まで延長したと報告されています。Twitterはこの契約における最初の4つの四半期ごとの支払い(合計約440万ドル)を問題なく実行してきました。
しかし、イーロン・マスク氏がTwitter買収を申し出た後の5月、TwtterはImplyに対して2024年の契約終了後の延長はしないことを通告しました。ただ、このときも契約は「2024年9月30日まで完全に効力を維持する」ことが確認されていたとImplyと述べています。
ところが、マスク氏が買収を完了した直後に状況は一変しました。Twitterはそれまで問題なく支払ってきた同契約の、11月30日が期限となる支払い請求を一方的に拒否したとImplyは主張しています。
10月にマスク氏が買収して以来、Twitterは大量の従業員解雇にはじまり、有料サービスTwitter Blueの刷新などあらゆる面で変更を加えてきましたが、そのなかでNew York Timesが11月22日に報じたのが、Twitterが方々の取引先への支払いを拒否しているという話題でした。
訴状では、Implyはマスク氏がTwitter買収を実行する前に109.2万ドルの請求書をTwitterに送付し、10月5日に承認の確認が取れたと述べています。ところが、11月30日の支払期限が近づく28日に入金状況を確認したところ、Twitterが請求書を破棄し、ライセンス契約も一方的に破棄していたことが判明、Twitterに連絡を取ったものの、具体的な説明は得られなかったとのことです。
今回の訴訟で、ImplyはTwitterに契約不履行による金銭的損害賠償を求めています。Twitterが訴訟に応じず契約違反を続けるならば、契約期間が終了するまで本来の支払い予定時期である四半期ごとに賠償額が増加し、最終的には800万ドルを超える額になるとImplyは裁判所に訴えています。
なお訴状によれば、TwitterとImplyとのあいだには「期間満了前に契約を一方的に終了できる権利」の有無をめぐり意見の不一致があるとのこと。
NYTは、Twitterが従業員に対し外部ベンダーの見直し、支払額の再交渉、支払の拒否を指示したと報じています。そして主要なコンピューティングリソースを提供するAmazonやOracleなどとの契約の再交渉、従業員向けのクレジットカードサービスの終了、無料の社員食堂の廃止などが実施されたと伝えられていました。最近では本社や支社のオフィス賃料の滞納も伝えられています。
最近では、マスク氏との買収交渉に赴くために当時Twitterの最高マーケティング責任者だったレスリー・バーランド氏が利用した自家用ジェットサービス2回分の旅費、19万7225ドルが、その後マスク体制となったTwitterに支払い拒否されたことが報じられています。
これに関しても、サービスを提供したPrivate Jet Services Group (PJS)がTwitterに対して訴訟を起こしています。ちなみに、バーランド氏はすでにマスク氏によって解雇されています。