『サイバーパンク エッジランナーズ』とテクノエッジの「エッジつながり」コラボ企画、CD PROJEKT REDのジャパン・カントリー・マネージャー本間氏へのインタビュー後編はエッジランナーズを離れて、高い評価を得ている日本語ローカライズを中心にお訊きしました。
インタビュー前編『サイバーパンク2077』『サイバーパンク エッジランナーズ』についてはこちら
ここからは本間さんご自身とお仕事についておしえてください。現在はCD PROJEKT REDのジャパン・カントリー・マネージャーという役職で、アニメ『サイバーパンク エッジランナーズ』のプロデューサーも務められてますね。
前職での『ウィッチャー3 ワイルドハント』も、CD PROJEKT REDに移籍されてからの『サイバーパンク2077』も、どちらも膨大なテキストで世界と物語を伝える作品ですが、優れた日本語化が非常に高い評価を得ています。
本間さん自身がこういった日本語ローカライズのお仕事に就くようになったきっかけ、背景はどんなものなんでしょうか?
GTAの衝撃でMODにハマる
本間氏:
海外ゲームの、いわゆるMODというものがありますよね。有志が制作して、元のゲームを日本語化したり、キャラクターを追加したりするような。それが好きだったんです。
学生時代はGTAが好きで。その当時はバイスシティとかサンアンドレアスとかですね。まあGTAはもっと前の初代からやってるんですけれど。初代は中~高生ぐらいのころかな?それをやって衝撃を受けたんですよね。
まだその頃はPS1くらいの時代で、洋ゲーにハマる前はJRPGなんかが好きだったんです。いまでも好きですけれど。
そんななかで初めてGTAってゲームを遊んだときの衝撃。こんなに殺し回っていいのか?こんなことが許されるのか??みたいな。やっぱりハマっちゃいますよね。中学生、高校生時代にGTAなんか遊んでしまうと、もう日がな一日轢き殺してって生活になっちゃうじゃないですか。
わははははw
本間氏:
かなり健全ではないと思いますが、やはりそれが面白すぎたので海外ゲーム、いわゆる洋ゲーというものに興味を持って。
当時は洋ゲーというとほとんどPCでしか遊べなかったので、PCゲームにハマってゆくとおのずとMOD にぶち当たるんですよね。もうさらに無茶苦茶できる!って。たとえばGTAならMODで自分の好きなあの車が使えるとか、重力を無くすとか。
それが面白かったので、MODを紹介するサイトを作ってたんです。名前言っちゃうとバレちゃうんで言わないですけど。それでコミュニティ運営みたいなこともしていて。海外の MOD のインストール方法とか、自分のお勧めのMODはこれですというのを載せてました。
ゲームの中でスクショを撮って。クルマの4面図を撮ったり、横から斜めから、インテリアはこうですって扉開けて撮ったりして、これは自分のなかで星いくつ、おすすめだとか。
翻訳会社からゲーム業界へ
そんなことをやってるなかで学生生活が終わって。大学はイギリスだったんですけど、日本に帰ってきたとき、ゲーム業界で働くって考えはなかったんですよね。
当時、自分の得意分野って英語しかなかったので、イギリスの大学を出たので英語はまあできますと普通に就職活動しました。その時はなぜか人事を志望して、最初から人事志望ってなかなかいませんよと言われたり。
最終的には広島にある翻訳会社に入りました。翻訳プロジェクトマネージャーという仕事です。会社としては産業翻訳がメインで、 IT 書籍などもプロジェクトをまわしました。
そんなことを2、3年ほどやって、だんだんとゲームのお仕事がしたいと思うようになって。上京してスパイクに行ったんですね。当時のスパイクはCall of Dutyの3とか、BIOSHOCKとか。代理店がローカライズしてパブリッシュするビジネスが盛んだった時代です。
それでゲーム業界の経験は何もないですけど、翻訳プロジェクトの管理経験はあるってことで採用してもらって。だいぶ端折りますけど、それから数年経って『ウィッチャー3 ワイルドハント』をやって、その縁もありCD PROJEKT REDに転職したという感じです。
だから最初はやはり、PCゲームでMODをやってたというのが自分のなかでは大きくて。作ったりもしてたんですよ。見よう見まねで。当時は六角大王とかですね。
懐かしいwww
本間氏:
モデリングして、ゲームのなかで動くと嬉しいじゃないですか。そんな風に、PCゲームのMODに対する解像度が自分のなかで上がっていたんですね。あとは家庭用ゲーム機では海外ゲームがほとんど遊べなかったこと。当時は代理店ビジネスが始まっていて、著名なゲームだったら日本版が出ることはありましたけど、それを手伝いたい、力を貸したいなというのもありましたし。そんななかで海外ゲームに携わるようになって、まわりまわってCD PROJEKT REDで働くようになったという感じです。
当時、わたしは秋葉原で海外ゲームを買ってたころですね。だいたい同じ顔ぶれが店頭でこう、北米版とアジア版のパッケージをひっくり返して、リージョン確認してみたいなw
本間氏:
自分も東京に来てからはトレーダーとか、カオス館とかで買ってましたね。
まあ、それでも自分はPCでしかゲームやってなかったですね。最初はパッドでFPSをやるのは信じられなかったです(笑い)。BF1942 とかを PC でゴリゴリやってました。
キーボード・マウスで遊んでたので、入社直後にパッドでBIOSHOCKのPS3版のテストをやったときは、こんなのプレイできねーじゃん!と思って。
エイムできねーじゃん!ってw
本間氏:
今となってはもう慣れたものですけどね。だから自分の中ではやはりPC ゲーム、海外ゲームで。当時はPCゲームといったら海外ゲームかエロゲーしかないわけじゃないですか。
PCゲームを手に入れるには、自分はZOOさん(株式会社ズー)にお世話になってましたね。それこそゲーム業界に入る前、プライベートでズーさんの日本語マニュアル付き海外版を買ってたので、前職でお仕事ができて楽しかったですね。
セイクリッド 2というディアブロみたいなRPGがあるんですけど。そのPC版をズーさんが販売されてて。感慨深いものがありました。
ただひたすら時間をかけるローカライズ
日本のプレイヤーとして嬉しいのが、CD PROJEKT REDは非常に丁寧に日本語のローカライズをしてくれることで。やはりいまだに日本語がないゲームも多いですし、日本人の購買力を考えたら以前より減ってるかもしれない。昔は変な日本語訳を見つけたら上から目線で笑えてたのが、いまはもう機械翻訳でもつけてくれたらありがたいみたいな。
そんな状況のなかで、ウィッチャー3はあんなに膨大で複雑なのに何の問題もないと言うか、むしろ日本語でシームレスに体験してくださいというような代表格で、それはすごいことだなと思います。
本間氏:
まず大前提として、いまCD PROJEKT REDのローカライズは自分が中心にやっているわけではなく、同僚の西尾がハンドリングしています。『サイバーパンク2077』の日本語ローカライズの高評価も、彼によるところが大きい。もちろん自分も数%~数十%は貢献していると思いますが。
自分はただひたすら時間をかけるローカライズっていうものを提唱してるんです。もうとにかくたくさんテストすればするほど正義という。まあ担当作品が大規模なものばかりで、作家性が求められるような小規模インディータイトルにはあまり携わってないという点も影響していますが。
というのも、ローカライズって翻訳して、音声がある場合は収録して、テストして違和感があったら直すというのが工程としてあるんですが、とにかくテストして直しまくれば価値だと。
最初のクオリティが高いほど良いのはそのとおりなんですが、やはり実際にプレイしないと気づけないことがあまりにも多いんです。単純な例では距離感とかですね。実際にゲームをプレイしたら、キャラクターがこんな遠いところにいたんだ、みたいなことが多々発生するんです。ローカライズの現場って。
大変なのは特にマルチシナリオ系のゲームですね。ウィッチャーもサイバーパンクもそうですけど、Excelファイル上で読み取れる情報量と、実際にゲームをプレイして得られる情報量に大きな隔たりがあるので、いっぱいテストすることを昔からすごく心がけています。
テストするのはあまり苦じゃないんですよ。半仕事、半遊びみたいな感覚で。テストと言っても、コリジョンチェックでひたすら壁に1000回当たってください、とかってことではないですから。ひたすら周回プレイをして、違和感のあるテキストをなおし、音声の場合はリテイクに回す。テストにはとにかく時間をかけてやっていますね。
そのテストというのは、テストプレイヤーさんに回してということではなく、ご自分でプレイするんですか?
本間氏:
そうです。テストプレイヤーにももちろん回しますけれど、正直ローカライズのテストの場合は、たとえば自分も含めて外部テスターとあわせて5人くらいで回したとして、修正を入れる量は自分のものが大半になります。というのも、翻訳は正解と誤りの線引きがとてもむずかしいんですね。
明らかに間違っていなければ、直訳も決して不正解ではないので。だから外部テスターとしては、そこにメスを入れ出すと全体を直さなければとなってしまう。
たしかに、好みの話に近づきますね。
本間氏:
まあ好みの話が大きいんですよね。翻訳って。自分も90%ぐらいは好みの話で。もちろん誤訳か正しいかは根本にありますけれど、それらを除くと変更の大半って好みなんで。それは自分の立場だったら全部できるんですが、外部のテスターという立場だったら、そんなことを始めたらもう終わらないじゃないですか。怒られるかもしれないし。
まあクビになりますよねw
本間氏:
それがいまの立場ならば関係なくできるので、そこはもう自分なりに、やりたいようにやらせていただいてるっていう感じですね。
ひたすらテストを回さないとこんな高い品質にならないだろうなというのは、ただ遊んでいるゲーマーからも分かるんですけど、それができるのってものすごく贅沢な環境ですよね。
本間氏:
まあそうですね。あとはCD PROJEKT RED作品はPC版でテストできることが大きいですね。家庭用ゲーム機よりも取り回しがいい。PS4とか5はずいぶんと良くなりましたけれど、PS2とかのころは大変でしたね。ディスクを焼かないといけなかったし。
あくまでわたしの狭い観測範囲の話ですが、日本でローカライズ品質が信用できて、大きなIPで高い評価を得ているというと、CD PROJEKT REDとあとはSIEと……
本間氏:
SIEさんはタイトルが多いこともあってチームの規模も違うと思いますが、ファーストパーティとして何も恥じることのない高いクオリティで出されてるなと思いますね。
それがいつまでも続いてくれるのか、結構ハラハラしながら見てますが。
本間氏:
SIEさんはさすがに末永く日本語をサポートされると思いますが、それでも日本語ローカライズができるのは贅沢なんですよね。
たとえば海外の、特にEFIGSと呼ばれる5言語って、もちろん各担当者のかたはものすごくコミットしてやられてると思いますが、入っているのが当たり前のようになってますよね(EFIGS: English, French, Italian, German, Spanish)。
日本語だけなぜかチェックマークが入ってないっていうのがよくありますけど、それ以外の言語は全て入っていて、ベンダーが一手にローカライズ請け負ってますというのが当たり前にあります。
そのなかで、日本だけ国内に担当者を1名2名置いて、やらせてもらえてるのはありがたいですね。
AI翻訳時代のローカライズ
いやあ、日本のゲーマーとしてはそれが本当にありがたいというか、あまり他の会社のことをディスるような言い方になるとあれですけれども、なかにはこれ絶対ゲーム見てないだろ、エクセルかなんかで一対一に置き換えてるだけで、やれば絶対分かるのにって間違いがとても多くて。
でも実際にプレイしてローカライズすること自体が贅沢で、特に日本市場にそこまでコストかけられないんだろうなあと思ったり。
本間氏:
最近個人的に思うのが、もちろん我々としてはローカライズにコストをかけて素晴らしいものをお届けしたいのは山々なんですけれど、ゲームのローカライズを俯瞰視点で見た場合、セールスにはそこまで大きな影響はないかなと思っていて。
たとえば子どもと一緒にMinecraft をやってるんですけど、未だにおかしいんですよね。アイテムのカテゴリで、草だとか「自然」のものを示すNatureってものがあるんですけど、いまだに「性質」になってるんです。
でもそんなの誰も文句言わないじゃないですか。もう Minecraft はそういうものだってところまで落とし込めれば、正直関係なかったりする。
もちろんストーリーによって、物語を皆さんにお届けすることが重要というわれわれのようなゲームだったら、ローカライズの重要性は変わってきます。
でもそれ以外は機械翻訳でもないよりはいい、英語が分かる人からするとおかしくても、大半の日本人にとっては多分ないよりはあった方がいいくらいの優先度だから、そういう流れは止められないんじゃないですかね。
最近はAI論議が激しいですけれど、ローカライズというのは置き換えられてゆく分野かなと思いますね。もうボイスまで AI で、他の人の声に置き換えるなんてこともやってますし。
日本語の AI翻訳なりで本当に素晴らしいものができればいいんですが、とはいえ、90何%は正しいんだからいいじゃん、手動で翻訳したりテストなんかしなくてもって時代になると、ゲーム分野、特にナラティブのものは一番困りますよね。見た目は置き換わっていて、ローカライズできているようだけど、という。
これ普通に悪口になるから載せられないんですけど、Xboxの本体まわりは驚くほど翻訳されていて、日本市場でまだサービスインしていないものですら、ずっと前から日本語を選択できたりする。マイクロソフトは機械翻訳の先端をゆく企業でもあるわけですし、言語サポート自体をアクセシビリティ、ダイバーシティ、インクルージョンの枠で考えてる姿勢でもある。
それは本当に素晴らしいことなんですが、それだけにところどころにああ機械だな、目視チェックしてれば簡単にわかるのにって部分があると、何とも言えない気持ちに。フィードバックは簡単に送れるんですけど。
本間氏:
棲み分けですよね。アート的なものはお金を使って、ローカライズさせていただくという方向で維持したいですけれどね。
われわれもローカライズだけやってるわけではないですけれど、とはいえそこが一番面白いところなので。CD PROJEKT REDに入る時の面接で、音声ローカライズってやる意味ある?みたいな直球の質問があって。そのときは全力で意味あります、セールスに影響しますよと答えました。
日本版を買うと次につながります
でもじゃあ音声ローカライズがなくなったら何%減ると思う?とか訊かれると、もはや分からないですね。やってみないと分からないことなので。ただもちろんわれわれとしてはそこが面白いところなのでやりたいです。そのためにはユーザーに日本版を買っていただくことが必要です。最近だと海外版にも日本語が入ってた方がいいみたいな話がありますけど、それをやると将来に繋がらなくなっちゃうので、申し訳ないですけれどそこだけはと。
じゃあゲーマーにとっては、ローカライズが続いたほうが良いなら、日本版を買ったほうが良いと。次につながりますと。
本間氏:
買っていただいたほうがありがたいなと。個人的な考え方ですけれどね。でもいまだったら「日本語設定で遊んでます」ということが統計データとして取れる時代にもなってきているので。ひと昔前は分からなかったじゃないですか。
日本人が海外版を買いまくってるってことは、たとえば日本のアマゾンでセールスランキングがすごく上がってるとかならば分かるんですけど、厳密に日本で何人かという統計データは取りようがなかったわけですね。
最近は取れるようになってるから、ひょっとしたらそういった方法で、ああ日本で売ってなくても日本人がこれぐらい遊んでる、こんだけの本数出てるってことはこのコストはペイできてる、って分かるようになるかもしれないですけれど。
とはいえそうなると、日本で大々的に販促できなくなってしまいます。せいぜい何千本しか売れてないもののために広告は出せないとなってしまう。それがやがては日本語ローカライズなんていらない、という決断につながりかねない。
なので基本的にはやはり、一番健全なのは日本で日本版をご購入いただくことです。そのために代理店なり、われわれが直接また間接的に販促をして、より多くの人に手にとってもらうことが健全かなとは思います。
これからはまたサブスクリプションサービスなどの台頭でまた変わってくるのかもしれないですけどね。それでもちゃんとリージョン別に数字は取れると思うし、日本の数字を立てるためには、日本でサービスやゲームを購入していただくということが、次につながるかなと思いますね。
日本語ローカライズを維持・活用する施策
それでは海外のゲーム会社に向けて、日本語にローカライズしたおかげでうちはこんなに売れました、日本語ローカライズしたほうがいいですよ、というようなメッセージのようなものをいただければ。
本間氏:
まあ海外の開発の人はこれ見てないと思いますけどね。
わはははは。まあ、ファンが伝えることもできますし。
本間氏:
ローカライズの有無が一番如実に出てくるのって、日本のインフルエンサーがそのゲームをやってくれるという例がありますよね。なぜか日本だけSteamで突出して売上があると思ったら、インフルエンサーの誰々さんがコミュニティ巻き込んで実況配信してた、みたいな。
そこに繋がるのってやはりローカライズが結構大きいかなと思っていて。英語を喋れるインフルエンサーさんでしたら必要ないと思いますけど、なかなかそうじゃないことも多いので。
最近だとそういう形で、単にローカライズするだけだと興味持ってもらえなくても、そこにお金をかけてPR案件の依頼にするかどうかは別として、インフルエンサーさんを巻き込むというのはあると思いますね。たとえばシミュレーションゲームだったらシミュレーションゲームで、それに特化した面白い人達っているじゃないですか。
何千万サブスクリプションの有名YouTuberとかではなくて、もっと何十万とか中堅レベルの人たちもいるので。そういうことも込みで考えれば、ローカライズのコストも回収できますし。
ローカライズすることによってそういう間口も広がりますし、そういうふうに考えたほうがいいかなという感じはしますね。単にローカライズしたからコストがいくらというよりは、なおかつそこに、できればインフルエンサーにお願いした、ちゃんとしたPRとしての企画をセットにして。
まあなかなかそこまでできる人はいないですけれどね。たぶん代理店に丸投げとかしないと難しい。特にパブリッシャーの側に日本人がいなければ。
もちろんステマというわけではなく、ちゃんとPR案件としてローカライズを火種として使ってゆくのは全然ありだと思っています。そういう形で、ローカライズプラスPR的なところも考えてゆくのがいいんじゃないかなと思いますね。
幸いPCゲームは最近伸びてるので、海外ゲームが売れる土台としては良いと思います。あとはNintendo Switch のダウンロードゲームとかもやはり継続して売れますから、土壌としてはすごくいいんじゃないですかね。日本にもちゃんとゲームを出してくださいよって環境にはなってると思います。
火種があれば、燃え広がる可能性はある
手を入れたものはちゃんとそれだけ売れますと。まあ手をかけただけかは分からないですけれど、可能性として。
本間氏:
もちろん良いゲームじゃないと売れないというのは根本にあるから、そこが良くなかったら仕方がないとは思いますけど。いいゲームである以上は、あとは燻る火種をどう大きくするかっていうだけの話だと思うので。
数十万サブスクライバーがいて、かつローカライズもできます、日本展開を一手に引き受けますという個人が出てくると最強かもしれない。
なるほど。ではこれが、日本語化することで日本でめちゃめちゃ売っているCD PROJEKT REDの、ローカライズ担当プロデューサーのありがたいお言葉ですということで(笑い)
本間氏:
全然売ってないですよ(笑い) 天下のベセスダさんとか、天下のSIEさんなんかと比べたら全然売れてないです。でもローカライズをPRと組み合わせた施策というのは、個人でコンサルをする人がいても全然ビジネスになるなとは感じますね。
まだなかなか、日本市場でそういうことができる人や会社はない?
本間氏:
もうここまでくれば、どこかがちゃんと手を付けるんじゃないですか。ちゃんと儲かるというか、お金になる案件だろうし、これだけSteamが日本でも普及してきているなかで、手を挙げるところは多いと思いますね。
ただ昔と違って面白いのは、代理店ビジネスがやりづらい……というと語弊がありますけれど、要は地域ごとのパブリッシングってやりづらいんですね。Steamとかはもうグローバルでワンプロダクトで、 プレイステーションも大分それに近づいてますが、パブリッシングを地域で分けることがあまりトレンドではなくなってきたから。
なのでパブリッシャーを受けるというより、コンサルであったり、ローカライズやPRのサポートみたいなところにシフトしていくのかなって感じがします。
では、このインタビューを読んだ心ある、洋ゲー好きな、昔の本間さんみたいな若者が「よし、それなら俺が」ってなってくれれば……!
本間氏:
それはもう全然ウェルカムですね。若い人たちだけじゃなく、入ってきてほしいというのはあります。
では、日本で今後もますます世界のゲームを楽しめる状況になることを祈りつつ。本日は面白いお話をありがとうございました!