NASAとアリゾナ大学が、火星の表面にまるでクマの顔ようにみえる奇妙な地形を発見しました。人為的に作られた形跡はなく、偶然そのように見える要素の配置によって形成されただけのものですが、見れば見るほど「くまちゃん」です。
この画像は2022年12月12日に、アリゾナ大学が火星の軌道を周回する探査機Mars Reconnaissance Orbiter(MRO)で撮影したもの。
人間の目は点が3つあればそれを顔のように認識する習性があるとされます。これはパレイドリアと呼ばれる、目の錯覚現象で、1976年にバイキング1号火星探査機が撮影した人面岩もその一例としてよく紹介されます。また月の模様がウサギのように見えるのも、パレイドリア現象の一種です。
研究者によれば、今回の火星のくまちゃんも、大きなクレーターに溜まった堆積物が沈降して円形のひび割れになり、その中に2つの小さな目となるクレーターと、鼻~口を形づくる火山または泥の噴出孔が、絶妙な形状と位置関係でそのように見えているということです。
火星の表面には、ほかにも往年のテレビ人形劇『マペット・ショー』に登場する科学者”ビーカー”の顔に似た地形も発見されています。これもMROの科学機器HiRISEによって撮影された画像でした。
また、ドイツ航空宇宙センター(DLR)は、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に顔があることを紹介しています。もちろんこれもそのように見えているだけで、決して考えるのをやめたあの方のなれの果てではありません。