先日、米国上空に現れた謎の物体が米当局によって中国の偵察気球と断定され、F-22戦闘機に撃墜されたことは、数年前に国内で現れた飛行物体との類似性もあって大きな話題になりました。しかし北米ではその後、似たような未確認飛行物体が相次ぎ発見され撃墜されています。
まず2月9日には、アラスカ上空に未確認の飛行物体が現れ、民間航空機が使用する高度を、32~64km/hで飛行しました。この飛行物体は翌10日にはカナダ沖に出たところで撃墜されています。
ついで2月11日には、カナダのジャスティン・トルドー首相が、ユーコン準州上空に出現した未確認非常物体を撃墜したと発表しました。トルドー首相はジョー・バイデン米大統領との電話会談ののち、北米航空宇宙防衛司令部 (NORAD)を通じて米軍のF-22戦闘機を出動させ、物体を撃ち落としたとのこと。
この謎の飛行物体は自動車ぐらいの大きさの円筒形と説明されています。これは、1週間ほど前に米サウスカロライナ州で撃ち落とされた中国の気球にも外見が似ているとのこと。ただ、米国で撃墜された気球は直径30mとも言われ、今回カナダにあられた物体とはサイズがまるで違います。
そして最新の情報では、12日にも五大湖のひとつ、ヒューロン湖の上空約6100mを飛行していた、謎の物体を撃墜したことを、米国防総省が発表しています。これで、北米上空には3日連続で謎の物体が現れ、最初の中国の偵察気球も含めると4例目になりました。匿名の関係者の話として伝えられるところでは、この物体は八角形の構造をして、ロープが垂れ下がっていたが、何が搭載されていたかはわからなかったとのこと。
米国北方軍司令官を務めるグレン・ヴァンハーク氏は、この最近の3つの飛行物体がいったい何なのか、どうやって航行しているのか、どこからやってきたのかは特定できていないと述べています。また「地球外文明」が関わる可能性はあるかとの問いにもあらゆる可能性を除外していないと答え「情報部門と諜報部門に調査させている」と述べています。ただし匿名の当局者いわく「地球外文明に関する証拠は出ていない」とのことです。
カナダ当局も、11日に撃墜を発表した物体を回収し、その由来と目的を特定しようとしていますが、分析の結果は出ていません。ただ、飛行物体そのものには軍事的脅威をもたらした証拠はないとしています。
なお、米国防総省は4日以降、レーダーによる探知情報をより綿密に精査しており、11日にもレーダーの異常値を調査するために戦闘機を緊急出動させています。