人工衛星打ち上げサービスの開始を目指している最中のVirgin Orbitが、現在ほとんどの従業員に一時帰休を言い渡し、資金調達のために1週間ほど業務を停止しています。
リチャード・ブランソンの宇宙旅行会社Virgin Galacticからスピンオフして設立されたVirgin Orbitは、改造されたボーイング747、通称Cosmic Girlの左翼下側にペイロードとして人工衛星を搭載したロケットLauncherOneを装着し、上空からそれをリリースして軌道へ人工衛星を打上げる、衛星打ち上げ事業を行う会社。
今年1月初旬には「Start Me Up」と名付けた初の衛星打ち上げミッションを行ったものの、9基の衛星を搭載したロケットは飛行機からリリースされたのち、2段目ブースターの燃焼時に不具合が発生、目標とした軌道に到達せず、ミッションは失敗に終わりました。
Virgin OrbitのCEO、ダン・ハート氏は当時「是正措置を講じ、完全な調査とミッション保証プロセスが完了したらすぐに軌道に戻る」とコメントしていたものの、Ars Technicaなどはこの失敗が会社にとって大打撃になる可能性があると伝えていました。また失敗の原因は、後にロケット内の燃料フィルターが脱落したせいだと報告されています。
今回CNBCが伝えたところでは、Virgin Orbitが昨年11月初旬に第3四半期の業績を報告した際、四半期末の時点で手持ちの現金が7120万ドルであることを明らかにしていました。そして、その後はリチャード・ブランソン氏が会長を務めるヴァージン・グループの投資部門から負債の形で資金を調達していたとのこと。
水曜日の時点では、Virgin Orbitは2022年第4四半期の業績報告をいつするのかをまだ明らかにしていません。またVirgin Orbitの広報は、財務上のプレッシャーを緩和するための新たな投資家を探しており「数週間のうちに、今後の事業に関する新しい情報」を提供する予定だと述べています。