フードデリバリー大手のUber Eatsは、実店舗を持たないゴーストレストランの一部をアプリから排除していくことを明らかにしました。
ゴーストレストランは実際に座って食事ができる席がない、デリバリー専門店のこと。すでにあるレストランや倉庫、時には駐車場などに間借りして厨房だけあることが多く、また実体があったとしても複数のブランドを使い分けて別店舗のように装っている場合もあります。
この件はまずThe Wall Street Journalが報道したのち、Uber Eatsは他のメディアからの照会に対してバーチャルレストラン(ゴーストレストラン)に新たな基準を導入し、同じメニューが被っている店を整理していくとコメントしています。
もっとも、実店舗を持たないゴーストレストラン全般が必ずしも後ろ暗いわけではありません。たとえば人気YouTuberが展開するハンバーガーブランド「Mr Beast Burger」は、最初からパートナー店舗のキッチンで調理してデリバリーすると公言しています。またUber Eatsも自らバーチャルレストラン・プログラムを提供しており、個人のゴーストレストラン起業を支援しているほどです。
しかし、これらゴーストレストランのなかにはおなじ経営主体がひとつの調理場と同じスタッフで運営しているにもかかわらず、別々の専門店を装ったり、別ブランドで多数の店舗のようでメニューは全く同じというビジネスも多数あります。
Uber Eatsとしてはこうした重複を取締り、物理的な場所が同じ場合は、他のブランドと半分以上が異なるメニューを用意する。さらには、オリジナルの料理写真を4品は載せるよう求めています。
また今後はゴーストレストランとその親店舗に対して、アプリ上で星4.3以上の評価や、注文キャンセル率が5%以下、不正確な注文率が5%以下のキープを求めるとのこと。
通常の店舗であれば、これら数値が下がると厳選ステータスが遠のくだけであり(小さくないダメージとはいえ)より厳しい扱いといえそうです。
米国でのUber Eatsは、約5000ものゴーストレストランをアプリから削除する予定とのこと。その中には同じ朝食用ブリトーを提供する12もの仮想ブランド、同じサンドイッチを出す14のブランド、一時は20もブランドを使い分けたパキスタン料理店が含まれていると報じられています。
なぜ複数ブランドを立ち上げるかといえば、多数の店舗で一覧を埋め、同じカテゴリの店で注文されやすくするため。日本での対応は不明ですが、食べたいものを検索したが、同じメニューばかり出てきて根負けするという状況がなくなることを期待したいところです。
¥3,680
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
¥3,399
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)