飛行機からのロケット打ち上げサービス開始を目指していたVirgin Orbitが、デラウェア地区連邦破産裁判所で正式に破産手続きを開始しました。今後は手続きを続けつつ、事業の買い手になる企業を募ります。
Virgin Orbitは先週、運転資金の不足により事業の一時停止を発表、わずかな人数を残してほぼすべての従業員を解雇したところでした。ダン・ハートCEOは声明で「現段階では、チャプター11に乗っ取ったプロセスが、効率的かつ価値を最大限に引き出しての売却にむけた最善の道だと信じている」と述べています。ちなみにチャプター11とは米連邦破産法11条のことで、日本の民事再生法に相当します。
チャプター11の手続きにより、Virgin Orbitは負債を解消し、よりスリムな企業として、小型衛星打ち上げ市場における手軽な選択肢を提供できるようになるかもしれません。ただ、最も可能性が高いのは、会社の事業と資産を全面的に売却することだと思われます。Virgin Orbitは先週、2人の潜在的な買い手と話をしたものの、取引きは成立しませんでした。
現在、Virgin Orbit創設者のリチャード・ブランソン卿は、Virgin Orbitが最小限の人員で事業を残すために、Virgin Investmentsからの3160万ドルの追加資金提供に同意しています。この資金提供が裁判所に認められれば、Virgin Orbitはしばらくのあいだ買い手企業を探しながらチャプター11手続きを続けられます。またブランソン卿は、同社の資産とその売却益に対する第一の権利を持つ「上級」債権者としての立場を得ます。
ハートCEOは、「財務状況に対処し、追加の資金を確保するため努力してきたが、最終的にはビジネスのために最善のことを行う必要がある」「このチームが作り上げた最先端の打ち上げ技術は、会社の売却プロセスを継続するため、買い手に強くアピールすると信じている」とコメントしています。