Twitterが、月額制サービス「Blue」登録ユーザーを対象に1ツイートあたりの文字制限を1万字に引き上げ、さらに太字と斜体をサポートすると発表しました。
Blueユーザーの1ツイートあたり文字数は、今年2月に4000文字に増やしたばかりでした。ちなみに一般ユーザーの1ツイートあたり文字数は280文字(日本語など2バイト文字は140文字)。
ほとんどのユーザーにとって、1万字もの文章になるとまず書く方が大変と思われるほか、TwitterのUI的にもそんな長い文章を投稿されても、読みづらい印象のほうが先行しそうです。ただ現在のTwitterは、現CEOであるイーロン・マスク氏の指揮のもと、理屈よりもまずは試してみて、それから調整するやり方を採用していると言って良いでしょう。
Twitterはこの直前にも、2021年に導入した人気アカウントが特典設定したコンテンツへのアクセス権を月額で提供する「スーパーフォロー」機能を「サブスクリプション」という名称に変更することを発表しています。
こちらはBlueとは別に、月額2.99ドル、4.99ドル、9.99ドルと3つの階層が用意されており、それぞれに応じた限定チャットや限定バッジといった特別なコンテンツが登録者(サブスクライバー)に提供されるしくみ。
具体的なコンテンツの例としては、たとえばニュースレター(メールマガジン)的なコンテンツをサブスクリプション限定コンテンツとして提供することが提案されています。そういえば、Twitterがツイートにリンクを含めることを制限してひと悶着あったSubstackは、ニュースレター配信サービスでした。
スーパーフォローからサブスクリプションへの名称変更にともない、マスク氏は「今後12か月の間」はサブスクリプションからクリエイターの収益を追加で受け取らないと述べています。
つまりクリエイターは、12か月の間は支払手数料を差し引いたあとの全額(iOSアプリなら収益の70%、Androidアプリは85%、ウェブ版なら92%)をサブスクリプションから得られると期待できます。
なお、マスク氏はAndroidアプリもiOSアプリと同じ70%と説明していますが、GoogleはAndroidアプリ経由の支払手数料は2021年に30%から15%に引き下げられています。
今回の2件の変更に伴い、サブスクリプション(スーパーフォロー)を提供しつつBlueにも加入しているクリエイターは、1ツイートにより多くの話題をツイートに詰め込むことが可能になり、サブスクライバーのサービス上での滞留時間を延ばすことが可能になるでしょう(そして、広告の露出も増えそうです)。
ただ、スーパーフォローは発表以来、ほとんど注目されることがなかったサービスでもあり、どれぐらいのクリエイターがそれを利用しているのか、サブスクリプションへの改名でそれを使いはじめるクリエイターがどれぐらい現れるのかは予想が難しいところです。
ちなみに、記事執筆時点でサブスクリプション(スーパーフォロー)のクリエイターになるには、まず米国内のTwitterユーザーでなければなりません。さらに18歳以上、過去30日間のツイート数25件以上、そしてフォロワー数が1万以上という条件があります。
一方サブスクリプションを購入するのはiOS / Androidアプリ経由なら全世界どこからでも可能。ウェブ版は米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアからのアクセスに限り購入可能ですが、サブスクリプションのコンテンツにリアクションを返すのはiOS / Androidアプリからでないとできません。