全世界でプレイヤーの時間を無限に奪ったインディーゲーム「ヴァンパイア・サバイバーズ」(Vampire Survivors)がテレビアニメ化されると、海外メディアDeadlineが独占記事として報じています。
制作会社Story Kitchenは、原作ゲームの開発者Luca Galanteと提携し、このゴシックホラー風弾幕ゲームを「プレミアムなテレビアニメシリーズ」に仕上げる予定。
「ヴァンパイア・サバイバーズ」は、自動で攻撃するキャラクターを操って広大なフィールドを歩き、押し寄せる敵を撃退しつつ、なるべく長く生き延びることを目的としたゲーム。
プレイヤーは倒した敵が落とした宝石を集めてレベルアップし、その度に新たな武器を取得、あるいは獲得済みの武器をパワーアップ。四方八方から攻め寄せるモンスターが画面を埋め尽くすなか、中ボス級が落とす宝箱を開けると派手な演出とともにパワーアップが複数手に入ったりすることも魅力です。
一回のプレイセッションは長くても原則30分で終わるものの、稼いだ金貨でキャラクターの能力を永続的に底上げしたり、新たなプレイアブルキャラをアンロックするなど、プレイを繰り返すことでゲームが進行してゆくローグライトの要素もあり。1回のプレイは短くても、もう1回、あと1回やりたくなるため、やめ時が見つからない時間泥棒でもあります。
ストーリーは「ゲームの舞台は2021年、イタリアの片田舎。ビスコンテ・ドラキュロー(Bisconte Draculó)という悪人が邪悪な魔法により飢饉と苦しみに満ちた悪い世界を作り出していました。その恐怖の支配を終わらせ、食卓においしい食べ物を取り戻せるかどうかは、今やベルペーズ(Belpaese )ファミリーのメンバーにかかっています」というもの。
この設定は公式サイトのみにあり、Steamやスマートフォン版のストアページには書かれていないため、ストーリーがあることを知らなかった人も少なくなさそうです。
しかし生みの親のGalanteいわく「ヴァンパイア・サバイバーズで最も重要なのはストーリーです」とのこと。そう言いながら「週末に作った小さなインディーゲームから始まったものが、テレビアニメとして命を吹き込まれるなんて夢のようです!」と感動を露わにしています。
どうやら、ゲーム内ではほとんど語られないものの、作者の脳内には膨大な設定や物語があるようです。
さらに「「ヴァンパイア・サバイバーズ」にヴァンパイアが一人も出てこないことに、彼ら(アニメ制作者)は気づいているのだろうか」と自ら語っています。そういえばプレイアブルキャラにはパンダや狼らしきものはいるが吸血鬼はなく、実質的なラスボスも死神であり、ヴァンパイアはいないようです。
またStory Kitchen共同創設者も、本作がリリースされた直後には単なるヴァンパイアゲームとして却下しようと思ったが、何百時間もプレイしているうちに、すっかり虜になったとのこと。会社に「計り知れないほどの生産性の低下」を招いたとしつつ、テレビアニメ化への意気込みを語っています。
このStory Kitchenは、「ジョン・ウィック」シリーズのクリエイターで脚本家のDerek Kolstad、、「ソニック・ザ・ムービー」シリーズのプロデューサーを務めたDmitri M. Johnsonらが設立した会社。現在「Tomb Raider」や「Splinter Cell」のアニメ化や、「ベア・ナックル」の映画化にも関わっています。
現在は脚本家を探している最中で、テレビ局への売り込みもこれから。まずストーリー作りが難航しそうですが(毎回、最後には死神がいきなり話を終わらせるとしても)、続報を待ちたいところです。