Virgin Galacticが、リチャード・ブランソン氏を含む6人を乗せての飛行以来、約2年ぶりの動力飛行試験 Unity 25ミッションを5月25日に実施、無事に完了したと発表しました。
SpaceShipTwo (VSS Unity)は、ニューメキシコ州のスペースポートアメリカから母艦となる双胴機VMS Eveに吊り下げられる格好で上空に運ばれ、そこでリリースされたのち、液体および固体のハイブリッドロケットエンジンに点火して宇宙空間とされる高度まで上昇し、滑空飛行で宇宙港に帰還します。
今回の試験飛行では、機長、副操縦士、4人のミッションスペシャリストの計6人がVSS Unityに搭乗。高度1万3500mでリリースされ、一気に高度約87.2kmにまで到達、最高速度はマッハ2.94を記録しました。
なお、今回VSS Unityが到達した高度は、NASAが宇宙飛行士として認定する高度である50マイル(約80.5km)を上回っているものの、大気圏と宇宙空間の境界とされるカーマンライン(高度100km)には届いていません。
92分間のフライトには、NASAとの協力により、初めて4つの準軌道上実験用ペイロード(低照度用カメラ機器、生体医学センサーなど)を搭載して行われました。とはいえ、今回の飛行はあくまで、宇宙飛行士の訓練と飛行体験の評価、および6月に商業運航を開始する前にVSS UnityとVMS Eveの最終評価だったとのこと。
Virgin Galacticのマイケル・コルグラジアCEOは「われわれのチームは、6月下旬に予定されている商業研究ミッション『Galactic 01』の準備と進めると共に、飛行後の分析に着手する」とコメントしています。この商業研究ミッションはイタリア空軍との契約によるもので、3人のミッションスペシャリストが搭乗する予定です。
なお、Galactic 01のあとの予定はまだ発表されていませんが、コルグラジアCEOは5月9日の決算発表において、主に民間宇宙飛行士が搭乗するミッションを定期的に行う計画だと述べていました。