JEITAバッテリ動作時間測定法が9年ぶり改定。動画再生時とアイドル時を併記のJEITA 3.0に

ガジェット PC
山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は5月31日、ノートPCのバッテリ稼働時間の測定方法である「JEITA バッテリ動作時間測定法」を9年ぶりに改定し、新しい測定法となる「JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 3.0)」を発表しました。

Ver. 1.0が2001年に策定されたJEITA バッテリ動作時間測定法は、ノートPCのバッテリ稼働時間として、多くのメーカーのカタログに記載されています。しかしながら、その記載時間と実際の稼働時間の差異を感じることも増えてきました。

その主な理由となっているのが、Ver. 2.0での動作時間の算出方法です。Ver. 2.0では、動画再生での動作時間とアイドル時の動作時間の平均を算出し、バッテリ動作時間として表記していました。

JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 2.0)

当時はそれでも問題はありませんでしたが、近年は多くの機器に高度な省電力機能が実装されており、アイドル時の動作時間が大きく伸びています。このため、Ver. 2.0の測定方法では、実際の動作時間よりも長い時間が表記されることになってしまっています。

JEITAは、「PCの使用条件が多様化しており、搭載されているデバイスやそのデバイスの利用状況も多岐に渡ることから、すべてのユーザにあてはまる動作時間を定義することは以前にも増して困難となった」と改定の理由を説明。平均化した値ではなく、動画再生時とアイドル時の2つの動作時間を併記することで、利用状況ごとの動作時間がわかるようにしたとのことです。

具体的には、Ver. 3.0では動作時間の表記が、平均値ではなく動画再生時とアイドル時を別々に表記することになりました。2023年12月1日以降に発売開始する製品に関しては、Ver. 3.0で測定したデータを使用することが望ましいとされていますが、1年程度はVer 2.0での測定結果を併記しても良いとのことです。

また、動画再生時に利用される動画は、従来のフルHDから4K動画に変更。アイドル時の測定についても、これまで表示に関して取り決めはありませんでしたが、あらたに表示する壁紙が指定されました。このほか、画面輝度も高輝度ディスプレイの普及を考慮し、150cd/㎡から200cd/㎡に変更されています。

JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 3.0)が使われるようになると、カタログと実際との差異が少なくなり、消費者にとっては製品を選びやすくなりそうです。

《山本竜也》
山本竜也

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