黒いXbox Series S 1TBカーボンブラック発表、4万4578円でストレージ倍増

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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6月12日未明の Xbox Games Showcaseで、マイクロソフトが新たな Xbox本体 Xbox Series S 1TB in Carbon Black を発表しました。

名前のとおり、Xbox Series S最大の弱点だったストレージ容量を従来の512GBから1TBに倍増させたモデルです。本体色は上位モデル Xbox Series Xと同じマットな仕上げのカーボンブラック。

従来の「512GBモデル」は、Quick Resume用などシステム領域でも使用するため512GBより少ない領域しかストレージとしては使えないことから、1TBモデルでは倍増よりも増えるはずです。

Xbox Series S 1TB黒は、期待の大作 Starfield を控えた9月1日より世界で発売します。米国では349.99ドル。512GBの従来モデルより50ドル高い価格です。

追記:国内では9月8日、4万4578円で発売予定。6月13日より予約受付。

この世代の Xbox本体は高性能な Xbox Series X (1TBストレージ、499ドル / 5万9978円前後)と、小型で普及価格の Xbox Series S (512GB、299ドル / 3万7978円前後)の両方を最初から用意し、PCゲームのように「同じゲームが遊べるけれど、グラフィックを豪華にしたいなら高いほう」として、プレーヤーが選べるようにする戦略でした。

発売時から性能違いで2モデルを用意するマイクロソフトの賭けがどう出たかといえば、半導体不足などの要因で Xbox Series X も PlayStation 5も供給が間に合わず普及を足踏みする状況が続いたこともあり、Series Sは単純にプロセッサが小さく歩留まりが高いことも手伝って比較的入手しやすく、普及に大きく貢献する結果になりました。

(インタビューでは「アジア地域で大きく伸びたプレーヤー数のうち半数以上が Series S」など。具体的な数字は出さないようになって長いため不明)


「なかなか売っていない、買えても6万スタート」よりは、3万円台の Series Sのほうが軽率に買いやすく勧めやすく、一桁高いゲーミングPCと一応「同じ」ゲームがグラフィックを下げれば遊べ、特に定額ゲームサービス Xbox Game Pass のための再生機としては最適という状況ではありましたが、最大の泣きどころだったのがストレージの少なさ。

仕様として512GB、システムが使う領域を除くとそれ以下しか使えないため、特に80GBや100GB超も当たり前の大作ゲームではメインで遊ぶもの数本を入れ替えて運用する面倒があります。

(どうせ使わない高解像度アセット抜きで軽くしてくれれば良いようなもので、Xboxはそのために機種ごと最適なデータを配信するスマートデリバリーがあるはずですが、Series X|Sでは結局同じ容量のパッケージが大半です)

あとからストレージだけ追加で買い足せば良いんじゃね?というもっともな発想もありますが、Xbox Series X|Sは追加の容易さやプレーヤーにとっての入手性を優先したのか、単にライセンス品に囲いたかったのか専用のストレージカードしかない仕様。

それも複数のメーカーが競って安くなるはずが、発売2年半経つまで一社独占の状態で、512GBのストレージ追加カードが Xbox Series S本体と同じくらい高かったり買えなかったりという陰惨な状況が続いていました。(ごく最近 WDも参入してやや安くなりました)


誰もが小さなネジに気をつけて市販の M.2 SSDに交換できるわけではないことに思いを致せば、Xboxが重視するアクセシビリティの観点からツールレスかつ一瞬で増設できる利があること自体は否定できませんが、それはそれとして周辺機器メーカーの競争効果とSSDの値下げで入手しやすくなる希望的観測が2年半経つまでろくに実現しなかったことは、市場環境があるとはいえ明確な失敗で、なんなら汎用品のSSDと交換代行サービスにしたほうが安いような価格差です。


Xbox Series Sでも、安価な市販HDDやSSDを接続して「退避」はできる(外付けドライブは低速なのでSeries X|S専用ゲームは直接起動できない)、Xbox Game Pass Ultimate加入者ならクラウドゲームでそもそもダウンロード不要で遊べるといった回避策もあり、4K動画ストリーミングが普通に観られる高速インターネット回線が家庭に普及した現在では再ダウンロードもそこまで時間がかかるわけではないとしても、やはり手元に落としておいて最適な状態で遊べるほうが良い事実は変わらず、1TBモデルの発売はこうしたややこしい流れからも歓迎できる動きです。

米国以外の地域については今後価格等を発表してゆく予定。現在の「Xboxレート」で考えれば4万円台なかば、現実の為替レートではそれよりもやや高く5万円弱になり、「3万円台で気軽に」はいずれにせよ成立しなくなってしまいますが、Xbox も PS5も発売後に世界で値上げするなど電化製品が高いご時世と、日本円の状況を考えれば512GBで3万円台なのがむしろおかしいのかもしれません。

追記:国内では9月8日、4万4578円で発売予定。6月13日より予約受付。


Xbox Series S フォートナイト、ロケットリーグ、フォールガイズ 同梱版
¥35,280
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

少なくとも、外付けストレージ拡張カードで1TBにするよりも、本体に50ドル多く払って1TBモデルを買ったほうがやや安く上がることは間違いありません。これで拡張ストレージカードの価格にも良いインパクトがあることを祈ります。


《Ittousai》
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