音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、いまから2年程前にロスレスまたはハイレゾ相当の配信プラン「Spotify HiFi」を提供する計画を明らかにしていましたが、実現には至っていません。
しかし2023年も半分ほど過ぎたこのタイミングで、ようやく高音質プランを開始する準備が整ってきたようです。
米Bloombergは匿名の関係者の話として、Spotifyは現在月額980円で提供中のPremiumプランよりも高価なプラン、内部名「Supremium」を年内に新設し、高音質なロスレスフォーマットでの楽曲配信を行う見込みであると報じました。
Premiumプランについては、オーディオブックのサポートを強化し、毎月一定時間数もしくは一定タイトル数のオーディオブックを無料で聴くことができるよう変更が加えられると伝えています。ただ、Spotifyは日本ではまだオーディオブックのサポートを開始していません。
すでにApple MusicやAmazon Musicなどは最大192kHz / 24bitのハイレゾ・ロスレスフォーマットによる配信を、10.99ドルの標準プランに追加料金なしで提供しています。一方、Spotifyが提供する高音質プランが、これらと同等のフォーマットを採用するのかはわかりません。
Spotifyはこれまで、個人向けのPremiumプランに関しては、サービス開始当時からからこれまで月額9.99ドルでの提供を続けてきました(Apple MusicやAmazon Musicは同等プランの月額料金を値上げしています)。
そのため、高額になるとされる高音質プランも、現在のApple Musicと同じ月額10.99ドル程度での提供になるのなら、ユーザーからはそれほど否定的な声も出ないかもしれません。
ダニエル・エクCEOは最近の決算において、投資家からの質問に対し加入者数の増加と収益のバランスを見極めた上で、地域によって価格設定を変えていくと述べていました。実際、米国を除く市場の多くでは月額料金を引き上げています。
Spotifyは今年1月に全体の6%にあたる従業員を解雇、さらに今月はじめにも2%を削減しています。Bloombergは投資家からもSpotifyに対して値上げすべきとの声があがっていると伝えており、米国でもHi-Fiオーディオプランを少し高く設定することで実質的な値上げ対応としたり、またはPremiumプランの値上げも含めた価格改定が行われる可能性はありそうです。