Twitterは7月4日、Twitterの公式クライアントであるTweetDeckの新バージョンをすべてのユーザーに展開したと発表しました。
あわせて、TweetDeckを利用するには、サブスクリプションサービスTwitter Blueに加入し認証を受ける必要があることを明らかにしています。つまり、今後のTweetDeckは個人でTwitter Blueに加入するか、所属する組織経由で認証済のユーザーだけが使える実質有料サービスとなります。
TweetDeckはブラウザから利用できるクライアントで、複数のカラム(列)を一覧表示できるのが特徴です。今回リリースされた新バージョンは、2021年7月からテストされていたプレビュー版のこと。ちなみに現在も表示上はTweetDeckプレビューとなっています。
列の表示が変更され、標準のTwitterクライアントを複数並べたような雰囲気になっています。また、各列の表示幅は「狭い」「中」「ワイド」から選択可能になっており、ホームのみワイド表示で、横に表示するリストは狭く表示するといったことができます。
このカラムは、デッキという単位でまとめられており、たとえば「趣味用」「仕事用」などと複数のデッキを設定し、それぞれ表示するカラムを変更するといった使い方もできます。
旧版では対応していた、パスワードを共有することなく複数ユーザーでアカウントを共同運用できる TweetDeck Team は、新版では今のところ使用不可。今後追加予定とされています。
以前は、設定から「TweetDeckプレビューの使用をやめる」を選べば旧版に戻すことができましたが、現在は旧版は使用不可になっており、新版(プレビュー版)の使用が必須となっています。
旧版が使用不可になり、新版(プレビュー版)をすべてのユーザーに展開したのは、最近問題になっている閲覧制限と関連しているようです。
Twitterは現在、「極端なレベルのデータスクレイピング」対策だとして、ユーザーが1日に閲覧できるツイート数を制限しています。
この閲覧制限中でも、旧TweetDeckのホームカラムは制限を受けることなく表示できていたのですが、これはTweetDeckが古いAPIを使用していたためのようです。しかし、スクレイピング対策としてこのAPIを削除。結果として旧版TweetDeckが使用不可になってしまったようです。
発端となった「極端なレベルのデータスクレイピング」(マスク氏)に関しても、実際はデータスクレイピングが問題なのではなく、TwitterのWEBアプリのバグにより、自己DDoS攻撃状態になっているのが原因ではないかとの指摘もあります。
理由はどうあれ、旧版のTweetDeckは使用できなくなり、新版への以降が必須。その新版を利用するにはBlueに加入し認証を受ける必要があります。Twitterは、30日以内に認証を受ける必要があるとしているので、30日後には非加入者・非認証者はTweetDeckを利用できなくなると考えられます。
TweetDeckは一覧性がよく、筆者も愛用しています。Blue限定になるという話は2022年にも出ており、そのときは課金してもいいと思っていたのですが、現在のころころと仕様が変わり、サービス自体いつまで続くのか怪しい雰囲気になって来ている中ではBlueへの課金はためらってしまいます。とはいえ使えないと不便ではあるので、年額ではなく月額課金で様子をみようかと思っています。