Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、先週水曜日に開始したばかりのTwitter風SNS、「Threads」登録ユーザー数が1億人を突破したと発表しました。これは2か月かけて1億ユーザーに到達したChatGPTを大きく上回るペースです。
ザッカーバーグCEOはThreadsへの投稿で登録者数が週末に1億人を突破し、「まだ5日しか経っていないなんて信じられない」と感想を述べています。
一方、Twitterのほうは、Threadsの登場による余波をもろに受ける格好になっているようです。7月10日には、セキュリティサービスのCloudflareのCEOマシュー・プリンス氏がTwitterのトラフィックだとするトレンドグラフをツイートし、アクセスが大きく減少している様子が示されました。
また市場分析サービスのSimilarwebは、Threadが一般的に利用可能になった最初の2日間で、Twitterのトラフィックが前週比5%減少し、2022年の同じ日に比べると11%も目減りしたと報告しています。
Threadsがここまで急激にユーザーを増加させているのは、もとからユーザーの多かったInstagramの新アプリとして同じアカウントを使うからと言って良いでしょう。世界に10億人と言われるInstagramユーザーは、既存のユーザー名をそのままThreadsの登録でも使うことができ、InstagramのフォロワーをそのままThreadsにも引き継ぐことができるため、Instagramでの知り合いをひとりひとり探す手間も省けます。
ただ、急激にユーザーの数を増やしたサービスが、その数をアクティブなまま維持できるかはこれからの話です。Threadsの登場までは、最速で1億ユーザーに到達したとされていたChatGPTは、最近の報道でユーザー数が減少していることが伝えられています。
ThreadsにはTwitter ユーザーが慣れた機能が揃っているわけではなく、たとえば投稿を時系列に表示するだけよシンプルなフィードもありません。アルゴリズム推奨によるフィードは著名人やブランド、インフルエンサーの投稿が多く表示され、より身近な友だちや家族の投稿を発見するのにはまだ難しい状態です。
またMastodonなどのように他の分散型SNSとの相互接続を可能にするActivityPubプロトコルの統合も、約束はしているものの、まだいつになるかわかりません。
なお、Instagramのアダム・モセリ氏はThreadsの目標はツイッターに取って代わることではないと述べ「Twitterを使ってこなかったInstagram上のコミュニティや、暴言などが少ない会話の場を求めるTwitter(や他プラットフォーム)上のコミュニティのための公共の広場を構築することが目的だ」と述べています。