近視・老眼・緑内障の自分にオートフォーカス“メガネ”「ViXion01」は使える? 購入を決めた4つのポイント(CloseBox)

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松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

オートフォーカスアイウェア「ViXion01」を開発するViXion(ヴィクシオン)に話を聞きに行ってきました。ViXionはHOYAが2021年に視覚障がい者向け電子眼鏡事業を分社化してできたスタートアップ企業です。

ViXion01は、人間の目が焦点合わせをする仕組みを電子的に行い、瞬時に自動調整してくれるメガネ型電子デバイス。スマートグラスと呼びたいところですが、いわゆるARグラスとは一線を画したい、医療機器ではないという意図で、オートフォーカスアイウェアと呼称しているようです。

メガネ型電子デバイスには昔から興味があって、眉間の部分にカメラを仕込んだダテメガネビデオカメラ、ハーフミラーでAndroid端末の画面をオーバーレイ表示させるXREAL Air、音のARを実現するHuawei Eyewearなんかは購入して、度を入れたレンズをつけて、普段使いしてきました。通常のメガネにちょこんと装着する、VufineというAR的オーバーレイするデバイスを使ったこともあります。

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自分はかなり視力が弱く、近視、老眼、さらに最近では緑内障により視野が狭くなっているという、かなりロービジョンな人となっています。このため、メガネ型デバイスを装着するときにも、VRヘッドセットを使うときにも、視力が不足する部分をどうするかが悩みどころとなります。

最近でこそ、視力補正用レンズを必要としないヘッドセットがあったりしますが、その場合でも自分の視力がそれに合致するかどうかは確かめる必要があります。

ロービジョンこそがターゲット

ViXion01がこれらと大きく違うのは、この製品は視力に問題を抱えるロービジョンの人々を助けることが目的だというところです。近視にしても老眼にしても、近く、遠く、それぞれフォーカスが合わせられないため、それを補正するためにメガネやコンタクトレンズを必要とします。ViXion01は、そのフォーカス合わせをアウトソースし、自動でやってくれる装置なのです。

現在kibidangoでクラウドファンディング中のこの製品、10月からの出荷に向けてプロトタイプを何度か作っており、その最新バージョンを試すことができるというので、ViXionで実物を試着し、担当者の話を聞いてきたというわけです。

結論からいうと、購入に踏み切れなかった疑問点が解消され、その場でkibidangoにアクセスして注文しました。

購入決定に至ったポイントはこんな感じです。

視力調整の範囲が想定外に広い
自分の視力障害にはフィットする
デザインがカッコよくてバンドでも実用的に使えそう
今申し込まないと手に入れられるのは来年になるかも

視力調整の範囲が想定外に広い

メガネを作るときの処方箋で、矯正の強度を示す数値があります。自分の場合、近視矯正が-9.0という数字、これを近くを見やすいように弱めたものが-7.5となっています。ViXion01がこの数値に対応するか開発者の内海俊晴取締役に聞いたところ、スペック的には-15から+15まで対応しているそうで、かなり視力が悪い自分でも安心して使えそうだということで納得しました。もちろん、実機で確認したほうがいいと思いますが。

自分の視力障害にはフィットする

自分は緑内障で、右目の視野がすでにだいぶ狭くなっています。このため、どのみち視野が狭いので、視野角が狭いというViXion01の弱点はそれほど気にはなりません。もちろん広いに越したことはありませんが、レンズ径の制約があるため、通常のメガネくらいまで広がることはないそうです。

ただ、視力に障害を持つ人が使えるかどうかは実機で試さないとわからないので、今回じっくり使えたのはよかったです。現時点では東京・二子玉川の蔦屋家電+でしか試せませんが、千葉、名古屋、広島、福岡でも展示会が開催される予定なので、迷っている方は行かれてはどうでしょうか。

デザインがカッコよくてバンドでも実用的に使えそう

見た目はとても未来的。スタートレックTNGに出てくるジョーディー・ラ=フォージみたい。

このままバンド演奏で使えそうはハイテク感。実際、これを装着して、年末にやる予定のライブで使ってみようと考えています。というのも、バンド演奏をしているときは、楽器の手元を見るのと、譜面台に置いたiPadで歌詞やコード進行を見るというのを並行してやっているので、自在にフォーカスを合わせることができるViXion01は便利そうなのです。見た目もDEVOとかKraftwerkとかDaft Punkとかテクノポップっぽいですしね。あと、オートフォーカスは暗所でも大丈夫という話を聞いたので、ステージでも大丈夫みたいです。

ただ一つ気になっていたのは、鼻パッドの色。試した製品や写真では、ここが白くなっているので、もっと目立たない色に変更できないか尋ねたところ、ここは標準品なので市販のものに変更できるという話を聞けました。

今申し込まないと手に入れられるのは来年になるかも

クラウドファンディング中は、7万円ほどで手に入る製品ですが、通常販売されると10万円に上がる予定。さらに、初期にバックした人は最短で10月の出荷、直近の購入者は年内にはどうにか、という感じだそうです。早く手に入れるならすぐ行動しなくちゃ、ということで、iPhoneでオーダーを決めてしまったというわけです。年末のライブ前に届きますように、と祈っています。

《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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