日本Xrealは、スマートフォンと接続して利用できるARグラスの新モデル「XREAL Air 2」(直販価格5万4980円)と、上位モデルの「XREAL Air 2 Pro」(同6万1980円)を発表しました。
本体にはバッテリーを搭載せず、スマートフォンなどから電源とディスプレイ信号をUSB-Cケーブルで供給するデバイスです。USB-C対応のiPhone 15シリーズで動作するかどうかが注目でしたが、発表会ではその公式回答がありましたので、併せてレポートします。
2022年3月にNTTドコモとKDDIが発売した「XREAL Air」の後継モデルで、軽量化と薄型化、高画質化などを図ったのが特徴です。
▲日本Xrealが2023年10月17日に発売する「XREAL Air 2」(直販価格5万4980円)
XREAL Air 2はソニー製の0.55インチマイクロOLED(有機EL)ディスプレイ(1920×1080ピクセル)を2枚搭載。XREAL Airの約79gから約72gへと約10%軽量化し、厚さも約10%減の19mmへと薄型化。ディスプレイの明るさは最大約400nitから最大約500nitにアップしています。
▲ソニー製の0.55インチマイクロOLED(有機EL)ディスプレイ(1920×1080ピクセル)を2枚搭載しています
発表会に登壇したXREAL共同創業者のChi Xu氏は「XREAL AirはTUVの認証を受けることに注力しており、ほかのARデバイスとの競争ではなく、レーザープロジェクターなどに負けないレベルの画質を実現しています」と自信を見せました。
▲従来モデル「XREAL Air」のスペックを紹介するXREAL共同創業者のChi Xu氏
▲XREAL Airと他社のVRグラス、プロジェクターとの映像比較
ディスプレイサイズや視野角はXREAL Airと同等ですが、明るさは約400nitから約500nitにアップしました。また、TUVラインランドの「Eye Comfort(目の快適性)」と「Low Blue Light(低ブルーライト)」認証に加えて、新たに「Color Accuracy(色再現性)」の認証も取得しました。
▲新たに「Color Accuracy(色再現性)」の認証も取得し、TUVラインランドの「トリプル認証」をうたっています
スピーカーはテンプル(つる)の部分に搭載しており、音が外に漏れないような指向性サウンドデザインを採用しています。
▲テンプル(つる)にスピーカーを搭載しています
今回の発表会では展示されませんでしたが、上位モデルの「XREAL Air 2 Pro」(直販価格6万1980円)はガラスの透明度を調節できる「電気クロミック調光」機能を備えており、透過率100%の「透明モード」、透過率35%の「通常モード」、透過率0%の「没入モード」の3つのモードを選べるとのことです。
▲XREAL Air 2 Proは電子制御によって3つのモードから透過率を選べる機能を搭載します
XREAL Air 2とXREAL Air 2 Proの大きな違いは電気クロミック調光機能だけで、そのほかはヒンジの色など細かい部分です。
「iPhone 15」シリーズもケーブル1本で接続可能に
XREAL AirシリーズはAndroidスマートフォンやPCなど、DisplayPort Alternate Modeを備えた機器とUSBケーブル1本で接続できるのが特徴ですが、独自のLightning端子を搭載する従来のiPhoneシリーズとの接続には、Apple純正デジタルAVアダプタなどでHDMI出力に変換した上で、さらに別売の「XREAL Adaptor」が必要でした。
しかしUSB Type-C端子を搭載する最新のiPhone 15シリーズは、XREAL Air 2シリーズとUSB-Cケーブル1本で接続できるようになりました。
XREAL Air 2の新機能というわけではなく、iPhone 15がUSB-Cを使った標準的な映像出力に対応したことによるもので、従来モデルや他社製のDP Alt Mode対応機器とも原則的には接続できます。
▲USB Type-C端子を搭載するiPhone 15シリーズは、XREAL Air 2をケーブル1本で接続できます
「iPhone 15との動作チェックをしたところ、直接接続が可能になりました。より多くのユーザーがアダプターなしでiPhoneとつなげられます。これは当社にとっても既存のユーザーにとっても、非常に大きく明るいニュースだったと思います」(日本Xreal代表取締役社長の呂正民氏)
▲XREAL Air 2を披露するXREAL共同創業者のChi Xu氏(中央)と日本Xreal代表取締役社長の呂正民氏(右)
▲千葉・幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ 2023」のXREALブースで行われたタッチ&トライでは多くのファンが体験していました