最新のスマートフォンといえども、出荷した時期と実際に販売される時期とではタイムラグがあり、常に最新のシステムソフトウェアが入っているわけではありません。
たとえば、初期のiPhone 15にはiOS 17がインストール済みでしたが、発売日の9月22日にはiOS 17.0.1が配信開始されました。重大なバグ修正とセキュリティアップデートが含まれるため、iPhone 15の初期セットアップを完了した直後に、またソフトウェア更新をすることになった人も多いでしょう。
そんな事態に備えるように、アップルが販売店向けに「iPhoneを箱に入れたまま上に置くことで、ソフトフェア更新できる」システムを準備中だと著名ジャーナリストが報じています。
BloombergのMark Gurman記者は、毎週発行しているニュースレター「Power On」最新号で、アップルが小売店向けに「販売前に、iPhoneのソフトウェアをアップデートする新システム」を計画中だと述べています。
店側がパッド状の装置の上にiPhoneの箱を置くことで機能するシステムで、「無線でiPhoneの電源を入れ、ソフトウェアをアップデートし、電源を落とす」ことが可能で、すべての作業は「iPhoneの箱を開けずに済む」と説明しています。
つまり、小売店の従業員がiPhoneの箱を1つ1つ開けて手動でアップデートする必要もなく、ただパッドの上に未開封の箱ごと置くことで、箱の中では「電源投入>ソフトウェア更新>電源オフ」まで完了。ハードウェアに物理的に触れずに、中味のソフトだけ修正できるということです。
これは遠い未来の青写真ではなく、「年内にこのシステムの店舗への導入を目指している」そうです。ただしアップル直営店だけなのか、Apple Premium Resellerや通信キャリアの提携企業にも提供するのかは不明。
新品のiPhoneを買った状態のまま使い続けることは、時として危険極まりありません。まさにiOS 17.0.1はゼロディ脆弱性の修正が含まれており、アップルも「iOS 16.7より前にリリースされたバージョンのiOS で、この脆弱性が悪用された可能性があるという報告」を把握していると述べています。
また10月5日に配信されたiOS 17.0.3は、iPhone 15 Proモデルが動作中に予想よりも熱くなる問題を修正しています。
これらのソフトウェア更新は、通知を見のがしていた・重要性を認識していないためスルーしていれば致命的ともなり得るもので、まさに「初心者殺し」といえるでしょう。iPhone初心者にこそ「購入時点で最も安全なiPhone」を提供することが信頼に繋がると、アップルも判断しているのかもしれません。
ちなみにiPhoneのソフトウェア更新が可能な場合は、「設定」>「一般」>「ソフトウェア・アップデート」からアップデートできます。