LG、ペット向け空気清浄機PuriCare Pet Hit、温風扇兼用のタワー型PuriCare AeroTower発表

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安蔵靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト 一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。デジタル家電や生活家電に関連する記事執筆のほか、家電スペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。

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LGエレクトロニクスは2023年11月21日、ペット向け空気清浄機「LG PuriCare Pet Hit」と、タワー型の温風・送風機能付き空気清浄機「LG PuriCare AeroTower」の2機種を発表しました。


ペット向けのPuriCare Pet Hitは11月29日発売、予想実勢価格4万9500円。タワー型で温風・送風もできるPuriCare AeroTowerは12月7日発売、同8万9100円。

▲ペット向け空気清浄機「LG PuriCare Pet Hit」
▲温風・送風機能付き空気清浄機「LG PuriCare AeroTower」

LGは2019年に送風機能付き空気清浄機「LG PuriCare」で空気清浄機市場に参入し、2022年11月にはペット向けに特化した「LG PuriCare Pet」、2023年7月にはサイドテーブルとワイヤレス充電器、ムードライトなどの機能を備えた「LG PuriCare AeroFurniture」を発売するなど、次々に新製品を展開してきました。

マーケティングチームの植田景子氏によると、ペットのいる家庭向けのPuriCare Pet HitはPuriCare Petの「弟分」、デザイン性を重視したLG PuriCare AeroTowerはPuriCare AeroFurnitureの「いとこのようなもの」とのことです。

▲2022年11月発売の「LG PuriCare Pet」(写真左)と「LG PuriCare Pet Hit」(写真右)

ペットの抜け毛を吸引するペットモード搭載の「PuriCare Pet Hit」

PuriCare Petは購入者から「排泄物のにおいがすぐ消えた」、「舞っている毛を集めてくれる」といった声があったものの、「部屋に置くにはサイズが大きすぎる」、最初の価格が10万円以上を超えていた(現在の実勢価格は7万3000円程度)ことから「価格が高い」という声があったとのことです。

そこで適用床面積(37畳)やペット臭除去、ペット由来のアレル物質の除去率はPuriCare Petと同等ながら、体積約24%のコンパクト化を実現しました。

ただし空気清浄機としての適用床面積は同等ながら、ペットの抜け毛を吸引する「ペットモード」の性能は下がったとのこと。ペットモードでは自動で集じんする「スマートモード」に比べて抜け毛を約30倍吸引できていたのに対し、PuriCare Pet Hitでは約16倍に下がったとのことです。

▲適用床面積は同等ですが、ペットモードの抜け毛吸引性能はPuriCare Petよりも下がっています
▲シャープの「プラズマクラスター」やパナソニックの「ナノイー」のように室内にイオンを放出する「イオナイザー」技術を搭載しています

「PuriCare Petはペットの悩みを徹底的にケアしたい、サーキュレーターで素早くお部屋の空気をきれいにしたいという方向け。今回発売するPuriCare Pet Hitは、コンパクトに場所を取らずケアしたいというお客様向けのシリーズとなっています」(植田氏)

空気清浄機は一般的に日本の大手メーカーと海外メーカーや日本の中小メーカーとでフィルターに対する考え方が異なります。日本の大手メーカーは「プレフィルターに付いたホコリを掃除することでフィルター交換10年不要」を打ち出しているのに対し、それ以外のメーカーは半年から1年に1回のフィルター交換が必要になるものがほとんどです。

PuriCare Pet Hitのフィルター交換の目安は約3年で、その中間といった感じ。本体内に搭載するフィルターは大きなホコリを除去する「プレフィルター」、微細な粒子状物質を除去する「HEPAフィルター」、においを除去する「光触媒(脱臭)」フィルターの3層構造になっています。

「お手入れは簡単で、プレフィルターは水洗いが可能です。抗菌HEPAフィルターと光触媒脱臭フィルターは一体型になっているのですが、掃除機でホコリを吸うことでお手入れができます。光触媒が付いているので、脱臭フィルターは一定時間日光もしくは室内灯の下に置いていただくことで脱臭機能を長く保つことができます」(植田氏)

▲日本の大手メーカー製品のように手入れが必要になります

交換用フィルターの実勢価格は9900円。フィルターを交換さえすればいい製品に比べると手入れの手間がかかるものの、毎年もしくは半年に1回交換しなければならない製品よりは懐に優しいですね。

▲寝室でも使えるように、約25dB(木の葉がふれあう程度)で運転する「スリープモード」を搭載しています
▲本体上部にはPM2.5/1.0やにおいを感知して空気の質を表示する「スマートディスプレイ」を搭載しています
▲「LG ThinQ」アプリを使うと、遠隔操作や室内の空気質のチェックなどが可能です

コロナ禍で増えた「家電のデザインを重視する人」向けにデザイン性を追求

PuriCare AeroTowerはデザイン性を追求したタワー型の空気清浄機。コロナ禍で家の中にいる時間が増えたことから「空気清浄機とデザインを一緒に検索する量が増加しており、デザイン性のある空気清浄機が求められている市場環境があります」と植田氏は語ります。

▲本体サイズは直径235×高さ1120mmと、かなり省スペース設計になっています

「『よくある空気清浄機は四角い白い形で、“家電っぽさ”が強くてひかれない』とか、『お気に入りの家だからこそインテリアに合わない家電を置きたくない』というお客様が増えてきたという調査結果もあります」(植田氏)

PuriCare AeroTowerは米アリゾナ州にあるアンテロープキャニオンをモチーフにしており、デザインだけでなく「柔らかい自然な風」にもこだわっているとのことです。

▲米アリゾナ州にあるアンテロープキャニオンをモチーフにしたデザインを採用

「飛行機の翼に似た流線形の2つのタワーが出ており、そこから出る風が中央で合わさって柔らかい自然風の風を生み出しています」(植田氏)

▲本体を上から見たところ

外側のカーブに沿って流れる空気が周囲の空気を巻き込む「コアンダ効果」によって「気流が大きく倍増することで、より遠くまで風を届けられる仕組みになっています」(植田氏)とのことです。

▲「コアンダ効果」によって空気の流れを増幅しています

空気清浄機能に加えて、16~30℃まで好みの温度に設定できる温風機能を搭載。夏には送風を利用できます。

▲冬は温風、夏は送風機能を使えます

「温風モードは20℃の室温をわずか9分で5℃アップできるぐらいの温風の強さがあり、人間が暖かいと感じる28℃の温風を約2.1m先まで届けられます」(植田氏)

▲約2.1m先まで28℃の温風が届くとのことです

送風モードは「自然風モード」、多くの人がいる部屋に向く「ワイドモード」、部屋の空気質に応じて風量と空気の流れを自動で調節し、よりペットの毛やアレル物質を集じんできる「ペットモード」を用意しています。

空気清浄機としての適用床面積は約14畳なので、よりパワフルに集じんしてほしい人にはPuriCare Pet Hitの方が向いています。AeroTowerはデザイン性と、扇風機や暖房としての機能も含めて求める人に向いたモデルです。

▲適用床面積は約14畳。フィルター交換の目安は約20カ月と、PuriCare Pet Hitより短めです
▲内部のファンにUV(紫外線)LEDライトを照射して細菌を除去する「UVnano」も搭載しています

こちらもPuriCare Pet Hitと同様に、「おやすみモード」では約23dBの静音設計になっています。

▲「おやすみモード」では約23dBの静音設計になっています
▲PuriCare Pet Hitと同様に「LG ThinQ」アプリで遠隔操作や室内の空気質のチェックなどが可能です
▲リモコンも付属しています
▲リモコンは本体上部にマグネットで装着できるようになっています

45度もしくは140度まで首振りする「回転モード」も備えており、「パワフルな空気清浄機」よりも「空気清浄機能が付いたファンヒーター&扇風機が欲しい」という人に向いたモデルと言えそうです。



《安蔵靖志》
安蔵靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト 一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。デジタル家電や生活家電に関連する記事執筆のほか、家電スペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。

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