1月のCES 2025イベントを前に、LGがゲーミングモニタLG UltraGearの最新モデル GX9 シリーズを発表しました。
フラッグシップの45GX990Aは、OLED(有機EL)モニタでは初という5K2K高解像度で45インチのウルトラワイドモニタ(5120 x 2160画素、アスペクト比21:9)。
完全なフラットから900Rの曲面まで、数秒で物理的に曲率を変えられる(曲がる)点が最大の特徴です。
ウルトラワイドモニタは、特にゲーミング用途で近い距離から見た場合、左右に視界を覆う高い没入感が魅力。
しかし左右に離れるほど眼からの距離も遠くなり、角度も斜めから見ることになり像が歪んでしまうため、凹型にカーブした曲面ディスプレイがゲーム用途では人気です。 没入感に加えて、眼から表示面までの距離を一定範囲に収めることで眼精疲労を軽減する効果もあります。
ただし曲面モニタにも、「正しい」視聴距離が曲率(曲がり具合)によって決まっており、離れると逆に歪んで見づらくなること、正面からズレても見づらいというトレードオフがあります。
というわけで 45GX990A は、平面から900Rつまり半径900mm / 直径1.8mの円の弧を描くまで曲率を変えることができ、視聴距離や複数モニタセットアップ、没入型ゲーミングとプロダクティビティといった用途ごとに最適なカーブに調整できる機能を備えます。
LGは2022年にも、テレビの枠で LG OLED Flex という可変機を投入していました。OLED Flex が42インチ16:9という、さほど大画面ではなくウルトラワイドでもなかったのに対して、新製品の UltraGear 45GX990A は近い距離から見ることが多いゲーミングで、カーブの効果を感じやすいウルトラワイドという違いがあります。
曲がる以外の特徴は、ディスプレイの一部だけを使い、通常の16:9ワイドディスプレイ縦横比や、39 / 34 / 27インチなど表示画面サイズを可変できる機能。
ゲーム用途では、特に競技的なプレイの場合、視界を覆う没入感よりも画面全体を俯瞰したい、即反応するためできるだけ頭や視線を動かさない範囲で注意を払いたいことがあり、敢えて小さな画面を選ぶゲーマーも少なくありません。
(LGがOLEDテレビに最小42インチを追加してゲーミング用途に売っていたり、一部だけ使うピクチャモードを用意するのもこの理由)
45GX990A は縦横比や表示サイズの組み合わせをプリセットから簡単に切り替えられることで、大は小を兼ねるを可能にします。
画面サイズと同様、ゲーミング用途で重要なリフレッシュレートも可変のデュアルモードを採用します。
こちらは画面の一部だけを使うことで、リフレッシュレートを向上させる機能。発表では具体的なHz数を明かしていませんが、市販のモニタでは全画面で120Hzまで、一部だけを使い解像度を落として240Hzといった製品があります。
ソフトウェア的には、LG UltraGearシリーズのゲーミング機能に加えて、webOSを内蔵したスマートモニタ機能にも対応。
webOSはLGのテレビで使われているOSで、モニタ本体のみでYouTubeやNetflix、Disney+、U-NEXT等々の配信アプリ、天気予報やメディアプレーヤーといったアプリが利用できます。
ゲーミング用途ならPCなりゲーム機がつながっているのだから不要にも思えますが、PC等の起動を待たずリモコンでサッと使えること、特にPCでは著作権侵害防止等の理由で制約が多い配信アプリもテレビとしてフルスペックで見られる等が利点。
そのほかの仕様はアンチグレア・低反射コーティング、0.03ms応答速度など。
兄弟モデルとなる45GX950Aは、同じ45インチ5K2K解像度で800R固定の曲面モデル。39GX90SAは、39インチで21:9ウルトラワイド、800R固定の曲面モデル。
2022年に高額なテレビとして発売したのち2年にわたって更新しなかったFlexがゲーミングの花形UltraGear のウルトラワイドで、しかもOLED 5K2Kの旗艦モデルとして復活する胸熱展開ですが、価格や発売時期は未公表。日本国内向けリリースについても現時点では情報がありません。