中国政府、オンラインゲーム規制の草案を発表。ガチャやログインボーナス禁止、課金額を制限

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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中国の規制当局は、オンラインゲームに対する新たな規制案を発表しました。中国国内のメディアやゲームを統括する国家新聞出版署が、新ルールの草案を発表したかたちです

これらは主に運営側がゲームプレイを促す報酬や、プレイヤーの課金を抑制しようとするもの。この規制案が発表直後、中国ゲーム企業の株価は急落し、テンセント・ホールディングスは一時16%、ネットイースは最大25%下落しました

新たな規制案は、まずプレイヤーが「毎日ログインした」「はじめてゲームをプレイした」「連続して数回ログインした」場合に報酬を与えることを禁止。つまり、ゲームプレイを習慣づけるログインボーナスが禁じられます。

またユーザーの課金に限度額を設け、未成年者がゲーム実況配信者に投げ銭を渡すことも禁止。さらに未成年者にランダムセレクションサービス、つまりガチャを提供することも禁じ、ゲーム会社のサーバー等も中国国内に置くことを義務づけ、ゲームの内容に国家機密や国家安全保障を脅かすものが含まれてはならないと規定しています。

ここ数年、中国政府のゲームに対する規制は予測不能なところがありました。2021年には18歳未満のプレイ時間に厳しい制限を設け、ゲーム依存症への懸念を理由に、数ヶ月間にわたって新規オンラインゲームの認可を停止

が、昨年には新規ゲームの承認が再開され、締め付けは終わったとの見方もありました。実際、中国の政府系業界団体体CGIGCは今年7月、厳しい取締りで国内のゲーム人口が減少していたものの、規制緩和により回復したと報告。その矢先に、今回の厳しい規制案が打ち出された格好です。

香港の証券会社スタッフも、株価下落につき「規制案そのものではなく、政策リスクが高すぎるからです」と指摘。「この種のリスクは終わったはずだと考え、ファンダメンタルズを再び見直し始めていました。今回の件は、信用を大いに傷つけます」と語っています。


中国政府は2024年1月22日まで規制案に対するパブリックコメントを求めており、まだ規制は施行されていません。今後、そのままの形で施行するのか、それともゲーム業界や投資家達の声に耳を傾けて修正するのか見守りたいところです。


《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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