アップルの空間コンピュータこと「Vision Pro」は初代モデルが量産中であり、公式にはまず米国で「2024年の早期」から、情報筋によれば2月から販売開始の見込みです。
その一方で、すでに第2世代モデルが開発中であると複数の情報源が伝えており、機能を向上した直接の後継モデルと、コストを削減した廉価モデルを並行して準備していると見られています。
そんななか、第2世代Vision Proの新型ディスプレイは初代よりも輝度が高くなり、2027年発売の可能性が高いと市場調査会社Omdiaが予測しています。
韓国メディアThe Elecは、Omdiaの予測レポートを報道。それによると、次世代Vision Proは従来のWOLED型OLEDoS(ガラス基板ではなく、シリコン基板を使う有機EL)ディスプレイから、RGB OLEDoSに変更するとのことです。RGB OLEDoSはRGBサブピクセルが直接光を発するため、カラーフィルターが不要となります。
さらにOmdiaは、RGB OLEDoSがWOLED+CF(カラーフィルター)OLEDoSよりも輝度に強みがあると説明。カラーフィルターを通さない分、輝度が落ちにくいというわけです。
今年10月、サムスンディスプレイはRGB OLEDoS技術を開発中だと発表し、WOLED方式よりも優れていると主張。それと合わせて、MetaやアップルなどのVR機器を中心に供給する計画だと説明していました。
もともとRGB OLEDoS技術は、米eMagin社が軍用に生産していたもの。今年初め、サムスンがeMagin社を買収したことで、その技術を受け継いだかたちです。
初代Vision ProのマイクロOLEDディスプレイは、ソニーが一社だけで生産しているとの報道もありました。次世代モデルでは、サムスンディスプレイがソニーに取って代わるのかもしれません。
アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏も、第2世代Vison Proは「遅くとも2027年前半までに量産に入る」と述べ、2027年内に発売だと示唆していました。
初代Vision Proは当初、米国内のみで2024年の早い時期に発売し、他の地域はその後に販売する予定です。つまり日本国内で入手できるのはしばらく先になる見通しですが、次期モデルの登場が今から2年後以降であれば、初代モデルがすぐに型落ちとなる可能性は低そうです。