マイクロソフトがWindows 11の先行テスト版 Insider Preview Build 20640 (Canary Channel) の新機能を予告しました。
Surface 限定だったマイクのAIノイズキャンセル Voice Clarity が標準で利用できるようになるほか、Androidスマートフォンで写真やスクリーンショットを撮るとWindowsの通知からすぐに共有・編集できる機能、USB4の最新オプションである80Gbps転送のサポート、キーボードのColemak配列サポートほか、多数の新機能や調整が加わります。
マイクのAIノイズキャンセル Voice Clarity
Voice Clarity は、マイク入力から環境ノイズやエコー等を除去してクリアな音声を伝える機能。
高性能ノート Surface Laptop Studio で2022年に一般提供されたSurface限定機能でしたが、今後 Windows 11端末の標準機能として利用できるようになります。
特にアプリ側で対応の必要はなく、ビデオ会議アプリやゲームの音声チャット、メッセージングのWhatsApp、スマホの通話着信をPCで受けるPhoneLink等で利用可能になります (Windowsが音声を扱うモードのうち、音声通話を目的とした Communications Signal Processing Modeを利用するアプリ)。
アプリ側が声だけでなく他の音も送ることを想定している場合、開発者はOS側のAIノイズキャンセル有無を選択する設定を追加することも可能です。
Androidスマートフォンで撮った写真やスクリーンショットをすぐ共有・編集
スマホで写真を撮影すると Windows 11に通知が届き、すぐにSnipping Tool で編集や書き込み、共有ができる機能。
あらかじめ設定から、AndroidスマートフォンとWindows 11 PCが接続するよう設定しておく必要があります。一度登録すれば、あとは近くにあれば自動的にリンクする仕組みです。
Windowsのスマホ連携は Phone Link / スマートフォン連携 (スマホ同期)だったりとインターフェースや名称の変更が多くよく分かりませんが、とりあえず設定の「Bluetoothとデバイス」からモバイルデバイス、管理、デバイスを追加でスマートフォンを追加できます。
昨年秋にPhone Link / スマートフォン連携に追加されたリモートキャプチャ機能でもほぼ同じことができますが、よりWindowsのネイティブ機能に近いかたちに置き換えてゆく方向性のようです。
そのほかの新機能
今回の Canary Channel ではこのほかにも、
画面のキャストの改善。頻繁にウィンドウを切り替えてマルチタスクしたり、スナップアシストでウィンドウを並べたりを検出して、他のデバイスへの画面キャストを提案する通知を追加。クイック設定からポップアップするキャスト先選択に、候補が表示されないときのトラブルシューティングへのリンク追加。
USB 80Gbpsサポート。USB4の最新規格で80Gbps転送に対応。ハードウェア的に対応する一部のデバイスのみ。
Windowsセットアップ画面のUI刷新。クリーンインストールでも、OSアップデートと近いモダンでクリーンなデザインへ。
アクセシビリティのナレーター(読み上げ)ツール改善。スキャンモードで画面上の画像を順に読み上げるキーボードショートカット Shift+G、画像の説明や画像中のテキスト認識改善
Windwos LAPS (管理機能)に多数の改善・機能追加
ほか、タスクマネージャーアイコンを刷新、キーボードにColemak配列(QWERTYを一部変更して、使用率の高い文字をホームポジションに寄せるなど効率化した配列)追加、タスクバー右端へのCopilotアイコン追加に伴い、タスクバー右端にマウスカーソルを寄せてクリックしてデスクトップ表示の無効化(タスクバー設定からまた有効化できる)などなど。
Insider Preview Build 26040 は、インサイダープログラム登録者のうち、専門的ユーサーや開発者向けの Canary Channel 選択者に順次配信中。
一般向けではない先行テスト目的のWindows Insider Program のうちでも、 Canary Channel は炭鉱のカナリアとして真っ先にバグに遭遇することで貢献するるためのチャネルです。
業務上テストする必要がある場合等を除き、便利そうと思っても将来的に一般向けビルドに導入されるのを待ちましょう。インサイダー向けにテストしたままやはり中止になったり形を変える場合も多々あります。
Announcing Windows 11 Insider Preview Build 26040 (Canary Channel) | Windows Insider Blog
目玉のひとつのAIノイズキャンセリングについては、ここ数年のリモートワーク普及で多くのPCメーカーが独自に提供しているほか、会議アプリ側にもソフトウェア的に有効化できたり、あるいはGeForce RTX搭載PCならば NVIDIA Broadcast アプリて強力なAIノイズキャンセルが利用てきます。