パナソニックが4Kテレビ VIERA の2024年モデル6シリーズ13機種を発表しました。
新ビエラ最大の特徴は、Amazonとの全面協力により、Fire TVをスマートTV OSとして統合したこと。
従来よりも多くの配信サービスやアプリが使えることに加え、放送とネットコンテンツを統合した独自のホーム画面でシームレスに視聴できます。
テレビとしての画質性能では、AI超解像と数理モデル超解像を動的に組み合わせる「デュアル超解像」などエンジンが進歩。さらにゲーム機能では、新たにゲーミングモニタ級の144Hz VRR信号にも対応しました。
Fire TVを統合。従来のVIERA機能もアレクサも一体に
配信サービスやIoT機能にアクセスするスマートTVプラットフォームとして、Amazon Fire TVを統合しました。こちらは今年1月のCESで発表していたとおり。
従来のビエラが対応するアプリは約30種のみでしたが、Fire TVのエコシステム向けに作られた多数の配信サービスやアプリを使えるようになります。
朗報ではありつつ、Fire TVならばアマゾンがセール中にでも買って後付けすれば従来から使うことはでき、むしろすでに挿しているユーザーも多いはずですが、新ビエラはパナソニックとアマゾンの全面協力のもと、放送や録画といった従来のテレビの機能と、ネットコンテンツやアプリを扱うFire TVの機能を一体化して扱えることが大きな利点。
後付けでは入力を切り替えてFire TVを使い、放送番組の番組表や録画はまた別にと行ったり来たりする手間がありますが、新ビエラはひとつのホーム画面に「放送中のテレビ番組」「ライブ配信中のネット番組」「自分用にカスタマイズされたネット番組や視聴履歴のマイコンテンツ・マイアプリ」などが並び、入力切替等の手間なく選べます。
従来のビエラが代々対応してきたネットワーク視聴の「お部屋ジャンプリンク」、スマホでリモートから放送中番組や録画番組を見られるメディアアクセス、録画済みと放送予定を一覧できる過去未来番組表といった機能にも引き続き対応。
市販のUSBハードディスクで2番組録画、画面分割で2番組同時視聴といった、従来のテレビ文化的機能もそのまま利用可能です。
AmazonのFire TVデバイスと同じくアレクサにも対応し、テレビ画面のダッシュボードでスマート家電の状態を確認したり、声で操作できます。(テレビ本体に直接声で操作できるのは最上位の2シリーズのみ。その他はリモコンのマイクを利用)
スマホや外部機器の画面を飛ばしてテレビで見るミラーリングは、対応するAndroidスマートフォンとWindows PCであれば接続できます。Apple製品のAirPlayには非対応。
AIを導入した「デュアル超解像」対応の新エンジンで画質向上
有機EL・液晶のパネル技術と並んで画質を左右する画像処理エンジンは、バージョンアップして「新世代 AI高画質エンジン」へ。
AI超解像と数理モデル3次元超解像を組み合わせた「デュアル超解像」では、アップコンバートするソースの情報量に応じて二つの超解像手法を動的に合成し、ノイズを減らしつつテクスチャは残す処理で高画質化を実現します。
そのほか新エンジンの主な機能は、ネット動画などで多いバンディングノイズ(グラデーションがシマシマになるやつ)を解消しつつ精細感は残す「ネット動画ノイズリダクション」、ドルビーの最新技術 Dolby Vision IQ Precision Detail 、映画等を監督の(というよりマスタリング担当エンジニアの)意図に近く再生するフィルムメーカーモードなど。
パネルのハードウェアとしては、最上位Z95Aが明るいマイクロレンズアレイ有機EL、その下のZ90Aが独自の排熱プレートで輝度を稼ぐダイナミックハイコントラスト有機EL、Z85Aは通常の有機ELパネルで、前モデルラインナップと原則そのまま。
ただし最上位・上位のZ95AとZ90Aでは、パネルの制御に画像処理エンジンと温度センサを統合し画素ごとの発光状態を管理する独自の電流制御アルゴリズム Bright Boosterを新たに搭載し、明るい部分はさらに明るく、コントラスト感が向上しています。
ゲーミングディスプレイ級の144Hz VRR対応
ゲーミング系の機能では、従来の4K 120Hzから、ゲーミングモニタ級の4K 144Hz表示に対応します(有機ELのZ95A、Z90A、42Z85A、液晶のW95A、W90A)。HDRのDolby Vision信号でも144Hzに対応。
ゲーミングPCや、最新世代ゲーム機で利用できるVRR (可変リフレッシュレート)も、上位モデルはAMD FreeSync Premium / G-SYNC Compatibleに対応。40Hz~144Hzの周波数帯で表示できます(液晶モデルのW95 / W 90Aでは48Hzから144Hz)。
良く言われる「滑らかな表示」「チラつきやカクつき軽減」だけでなく、高リフレッシュレートはゲームの難度や手触りにつながる入力遅延の軽減にも影響します。
VRR(可変リフレッシュレート)は、60Hzなど固定された枚数だけでなく、ゲーム中の場面や処理能力に応じて画面の書き換えタイミングを一致させる仕組み。
ゲーミングPCなりゲーム機の最大性能を余さず活用できることから、ある意味グラボやゲーム機の上位版を買うより、VRR対応テレビに接続したほうがよほど見た目の滑らかさに貢献する場合があります。
4K有機EL 42インチモデルも追加
ラインナップはマイクロレンズアレイ有機ELのフラッグシップZ95Aが65インチと55インチ、公式通販ではそれぞれ51万4800円と36万6300円。
ひとつ下のハイグレードモデルZ90Aは同じ65インチ・55インチ構成でそれぞれ39万6000円・27万7100円。
「有機ELスタンダードモデル」にあたるZ85Aはパーソナルユースにも向いた42インチ、48インチの構成で22万7700円、21万7800円。
特に42インチモデルはゲーミングを意識しているのか、同じZ85Aシリーズでも48インチモデルは4K120Hzまで、42インチは4K144Hz対応と分かりにくい差があります。
全モデル本日より予約受付を開始し、6月以降順次出荷予定です。
¥9,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)