アップル、M2 iPad AirのGPUコア数をこっそり9個に減らす。性能は減っていないと主張

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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アップルはM2チップ搭載iPad Airを発表した際に、10コアGPUを搭載していると述べていました。

しかし先週、公式サイトの技術仕様ページなどを更新し、記事執筆時点では「9コア」に修正しています。


5月7日の発表直後における、公式ニュースリリースはこちら

(▲画像:5月7日時点の表記)

6月4日現在ではこちらに改めており、GPUコア数を10から9へと減らしています。

(▲画像:6月4日時点の表記)

GPUコアを1個減らした件について、アップル広報は公式サイトを修正したことを認めつつ、発表したM2 iPad Airの性能は正確だと主張しています。

アップル関連情報サイト9to5Macに対して、アップルは以下の声明を出しました。

M2 iPad Air のコア数を修正するためにApple.com を更新しています。M2 iPad Air のすべてのパフォーマンスの主張は正確であり、9 コア GPU に基づいています。

つまり、公式サイトにある記述は「9コアGPUと10コアGPUを間違えた」ことを除けば、M2 iPad Airの性能に関する記述は全て正しかったという主張です。

「M1を搭載した前世代のiPad Airよりも50パーセント近く高速」という下りに変更はないが、実は10コアではなく9コアでテストした結果だったというわけです。

さらにアップル広報の声明には、続きがあります。

より高速なメモリ帯域幅と組み合わせることで、新しいiPad Airは、幅広い生産性タスクやクリエイティブなタスクにおいて、M1を搭載した前世代のiPad Airよりも50%近く高速です。また、A14 Bionicを搭載したiPad Airと比べ、新しいiPad Airは最大3倍高速なパフォーマンスをもたらします。

(▲画像:Appleの声明)

公式サイトの記述と見比べると「より高速なメモリ帯域幅と組み合わせることで」が加筆。要はGPUコアのみならず、新型iPad Air搭載の高速RAMも性能アップに貢献していると示唆しています。

ちなみにアップルが、9コアGPUを内蔵したM2チップ搭載デバイスを発売したのは、今回が初めてのことです。たとえばM2 MacBook Airでは、GPU8コア/10コアの二択となっています

アップルはGPU9コア版M2を搭載した理由を明らかにしていません。GPU10コア版として製造したM2チップのうち、基準に満たないコアを無効にして9コアにした可能性もありそうです。


《Kiyoshi Tane》

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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