AirPods 4レビュー。軽い装着感とノイキャン両立、自然な外音が魅力。無線充電や「探す」対応などケースの機能差に注意(石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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iPhone 16シリーズ、Apple Watch Series 10と同時に発表されたもう1つの新製品が、「AirPods 4」です。

この製品、少々ややこしいことにアクティブノイズキャンセリングあり/なしの2モデル存在しますが、がぜん注目したいのが前者。


いわゆる開放型のAirPodsとして、初めてノイズキャンセリングに対応したモデルです。実機を先行利用したレビューをお届けします。

 そもそも、すき間からバンバン外音が入ってくる開放型のイヤホンは、ノイズキャンセリングに対応したモデルが少なめ。

メジャーなところだと、ファーウェイの「FreeBuds 4」や、サムスン電子の「Galaxy Buds 3」などがありますが、選択肢はそこまで多くありません。ようやく、モデル数が徐々に出そろってきたという状況です。

 そんな中、AirPodsも満を持してノイズキャンセリングに対応しました。

これは他製品でも共通ですが、カナル型と違って耳栓になるわけではないにも関わらず、装着するとノイズがサッと消えるのは不思議な感覚。

筆者はこのタイプが好きで、上記2製品も使っていますが、AirPods 4のノイズキャンセリングはそれら以上にノイズが強力に消えるような印象でした。

▲ 開放型で、装着しても耳栓のような圧迫感がない

 例えば、電車の中で使うと、「ウイーン」と鳴るようなモーター音は、「サー」という感じまで静かになります。

さすがに「ガタンゴトン」という車輪の音までは消えないものの、かなり静かな環境になり、音楽がディテールまで聞き取れるようになります。

飲食店でも同様で、クーラーや換気扇などの音は耳を澄まさなければ聞こえない程度にまで静かになりました。

 一方で、適応型に設定すると、会話などの必要な音だけはしっかり聞こえます。上記の電車で言えば、車内や駅のアナウンスはAirPods 4を装着していない時と同レベルまで音が聞こえてきました。飲食店では、流していたラジオがきちんと聞き取れます。

ノイズキャンセリングを使っていても、コミュニケーションはしっかり取れるというわけです。

▲ 適応型にしておくと、話し相手の声やアナウンスなどだけしっかり聞こえてくる

 とは言え、これらは「AirPods Pro 2」などにも搭載されていた機能。どちらかと言えば、筆者が評価したいのはその着け心地のよさです。

筆者は、AirPods Proのようなカナル型がやや苦手。通勤電車で短時間音楽を聞くぶんにはいいのですが、ビデオ会議などの長時間になってくると、耳が痛くなってしまいます。そのまま、頭痛が発生してしまうこともあります。

 その意味では、サッと耳にはめ込むだけの開放型がいいのですが、逆に一般的な製品だとノイズが耳に入りまくります。このような事情もあり、先に挙げたファーウェイのFreeBuds 4やサムスンのGalaxy Buds 3を使ってきたわけです。

この着け心地のよさとノイズキャンセリングを両立させてきたところに、AirPods 4の魅力があると言えるでしょう。

▲ ほどよく耳にはまるだけだが、ノイズはかなり消える

 ここまでライトな装着感であれば、つけっぱなしにしつつ、必要な時だけオンにするといった使い方もできます。

連続してビデオ会議が入っているような時や、フライトなどで長時間イヤホンをつけっぱなしにしたい時など、活躍のシーンは多そう。少なくとも、筆者にとってはベストなAirPodsだと評価できます。

 ちなみに、AirPods 4もAirPods Proと同様、外音取り込み機能に対応していますが、そもそもカナル型と違い、耳を完全にふさいでいるわけではないため、効果はやや薄め。この機能を使わなくても、普通に周囲の音は聞こえるようになります。

外音取り込みをオンにすると、やや音が大きくなる程度で、AirPods Proのようなはっきりとした違いはありません。あってもいい機能ですが、マストではないような印象も受けました。

▲ 外音取り込みに設定することもできるが、なしでも十分音は聞こえる

 冒頭で述べたように、AirPods 4には、ノイズキャンセルあり/なしの2パターンありますが、購入するならありの方を選択すべきだと考えています。

ノイズキャンセリングに対応していることで音楽の聴きやすさが大きく上がるうえに、ケースもiPhoneなどの「探す」に対応しているスピーカー搭載型だからです。

▲ ノイズキャンセリングありはケースも多機能。探す対応で、スピーカーを備える

 しかも、ノイズキャンセリングなしのケースはワイヤレスチャージにも非対応。製品名的にノイズキャンセリングのありなしだけが違いのようにも思えますが、ケースにもそれなりに差があります。

一方で価格差は8000円。8000円の上乗せでノイズキャンセリングと探す対応、さらにワイヤレス充電がついてくると思えば、お得感があるような気がします(逆に、なしの方が高いような印象も受けました)。

AirPods Pro 2より価格も安く、非常にバランスがいい製品と言えそうです。

《石野純也》

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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