現在、スマートフォンやタブレットのディスプレイは有機ELか液晶が使われていますが、第三のディスプレイとして名乗りを上げたのがTCL「NXTPAPER」。その最新モデルがCES 2025で発表されました。
NXTPAPERは液晶ベースのディスプレイですが、バックライトの低減などで目にやさしい表示を特徴とします。電子ペーパーと似た思想と言えるでしょう。しかし、色のカプセルを動かして表示する電子ペーパーは、画面切り替え時の残像が気になります。カラー電子ペーパーも出てきましたが、色の表現力が液晶や有機ELに大きく見劣りします。NXTPAPERは既存のディスプレイ技術と同等の表現力をうたっていますが、新しいバージョンではその再現度がさらに高められました。
NXTPAPERはバックライトが無いので、一見するとカラー印刷された紙のようにも見えます。3つのモードがあり、コンテンツやバッテリー残量によって切り替えが可能です。CES 2025で発表されたタブレット「TCL NXTPAPER 11 Plus」では、電源ボタンを押すごとにモード変更が可能になっていました。
デフォルトのモードはフルカラー表示で、普通のディスプレイとほぼ変わりません。普段はこのモードでの使用が勧められています。
カラーペーパーモードでは、カラー電子ペーパーに近い色表現となります。しかし、色の階調表現が少ない電子ペーパーに比べ、NXTPAPERのカラーペーパーモードはくっきりと色鉛筆で描いたような表示ができます。カラーの電子コミックやオフィス文書を表示しても色が薄く見えたり、ボケた感じが無く、写真や動画表示以外ならこのモードもお勧め。消費電力は通常モードよりもだいぶ抑えられます。
そして、インクペーパーモード。こちらはモノクロ表示となります。Kindleなどの電子ペーパー端末の見た目とほとんど変わりません。消費電力は最も少なくなります。
ただ、動画の再生を行うと、電子ペーパーとの大きな違いがわかります。NXTPAPERでの動画再生は、液晶や有機ELでモノクロ動画を再生した時とほぼ変わらずスムーズで、視聴するのに何の支障もありません。
なお、TCL NXTPAPER 11 Plusにはスタイラスも付属し、手書きも可能です。スケッチなどもできますが、PDFやビジネス文書にカラーでマークを入れるといった使い方も当然できます。
展示ブースで試用できた時間は10分ほどでしたが、それでも目の疲れは確実に液晶や有機ELのデバイスよりも少なく感じました。
NXTPAPER搭載のスマートフォン「TCL 60 XE NXTPAPER 5G」も発表されましたが、こちらは1年前にリリースされた「TCL 50 XE NXTPAPER 5G」の北米向けモデルで、ディスプレイは1世代前のNXTPAPER 3.0。スマートフォンの小さい画面であれば、まだ前バージョンのディスプレイでも他製品と比べ優位性がありそうです。
とはいえ、今年中にNXTPAPER 4.0搭載のスマートフォンが出てくることでしょう。楽しみですね。
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