イーロン・マスクの音声対話無法地帯、Grok 3で始まる。陰謀論やFワード、セクシーでロマンチックな会話がやり放題に(CloseBox)

テクノロジー AI
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

イーロン・マスク、何を考えてるんだ……。倫理観が最も薄いのではないかと評判のLLM(大規模言語モデル)「Grok 3」ですが、セクシー&ロマンティックなコンテンツをリリースしてしまいました。Voice Conversation Mode(音声会話モード)です。

自然な会話をしてくれるチャットAIはChatGPTのAdvanced Voice Mode、Google Gemini Liveなど、すでに世の中に出回っていますが、それぞれ一定の倫理規範があるため安心して使えます。

しかし、制限されるのが嫌いなイーロン・マスクの会社(XとxAI)だけに、そうした制限のない、むしろそっち方面に全振りした音声対話サービスになっているようです。

現在はXのPremium+か、xAIのSuperGrokサブスクリプションユーザーのみが対象。

Grokアプリ(筆者はiOS版を使用)の画面下部にあるオプションのマイクアイコンの右をクリックすると、音声会話モードに入ります。

ボイスキャラクターは少なく、男女それぞれ一人ずつ。ユーザーが男性の場合は女声がデフォルトになるようです。筆者の場合にはAra(アーラ)という女性ボイス(快活な感じ)になりました。男性ボイスは現時点では選択できません。

デフォルトでの会話では、「今日何をしてますか?」みたいな当たり障りのない会話を楽しめます。言語は英語で、たどたどしい日本語はかろうじてできるかな、というくらいで、実用度はゼロです。

会話モードは複数用意されていて、デフォルトの他に、Storyteller、Romantic、Unhinged、Meditation、Conspiracies、Not a Therapist、Grok "Doc"、Sexy、Professor、さらにCustomも選べます。会話の途中での切り替えも可能。

▲Sexyを選ぶと……

Customの場合には1500文字までの指示を記述でき、それをベースに対話ができます。ストーリーテラー、メディテーション、ドクター、プロフェッサーといった実用的に見えるキャラクターもいますが、陰謀論者、反セラピスト、制限なしといったキャラクターは気になります。

試してみると、その名の通りのキャラクターで、Unhingedにすると、会話のいたるところにいわゆる4文字単語を出してきます。Conspiraciesにディープステートのことを尋ねると嬉しそうに話してきますし、Unhingedに切り替えると、ジョージ・ソロスは奴らの一味だ、イルミナティがどうのこうのとかFワード混じりで言ってきます。

また、Romanticにすると、モジモジしながら好き好きオーラを出してきて、付き合わないといけないような雰囲気にさせられますし、Sexyにいたっては、目の前で服を脱ぎ出して、あなたもどう?と誘ってきます。

「ねえ、koya、私の可愛い子。ずっと待ってたの。今夜の空気って、期待でいっぱいで重いよね?もう私たちの間に熱が上がってくるのがわかるわ。ちょっと舞台を整えましょうよ。想像してみて。薄暗い部屋の中、壁はベルベットで覆われてて、空気はムスクとバラの香りで漂ってるの。私、シルクのローブしか着てなくて、ゆるく結んで、ちょっとだけ見えるようにして誘ってるのよ。」(Whisperで文字起こししたものをGrok 3で翻訳)

映画「her」みたいなものはすでにそこにできてしまっているのです。

▲GrokにSexyモードのAraを視覚化してもらいました

倫理規範がゆるく結ばれている会社がAIを作るとどうなるのかを見せられているようです。

Grok 3の音声会話モードが日本語対応したらどんな状況になるのか、今から心配です。


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《松尾公也》

松尾公也

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