ポケモンGOのNianticが『トランスフォーマー』ほかARゲーム数作を開発中止、人員8%削減

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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ポケモンGOの Niantic (ナイアンティック)が、昨年発表したトランスフォーマーのARゲーム『TRANSFORMERS: Heavy Metal』など、開発中・テスト中の複数プロジェクトを中止することが分かりました。あわせて、人員の8%にあたる85名から90名の削減も実施します。

この件を最初に報じた Jason Schreier @ Bloomberg によれば、ナイアンティックのジョン・ハンケCEOは社内向け発表のなかで、今回の措置は昨今の経済情勢に対応するため、今後さらに発生しうる変化に備えるための合理化および費用削減の一貫と説明しています。

『TRANSFORMERS: Heavy Metal』はちょうど1年前の2021年6月に発表されたタイトル。Niantic とトランスフォーマーの権利者ハズブロ、タカラトミーの協力によるARモバイルゲームで、開発を主導するのはシアトルのスタジオ Very Very Spaceship とされていました。

ゲーム内容としては、バンブルビーなどオートボットとともに現実世界を冒険して隠されたリソースを見つけ出し、悪のトランスフォーマー ディセプティコンと戦うといった説明。「迫力あるターン制バトル」が売りの作品として、一部の地域で限定的なソフトロンチを経て世界展開する計画でしたが、日本国内で遊べるようになる前に開発中止となってしまいました。

そのほか中止になったプロジェクトは、イマーシブシアターの Punchdrunk とのパートナーシップによるエクスペリエンスと、コードネームのみで一般に発表されていない二本。

Punchdrunk は英国の劇団 / クリエイティブ集団で、観客が建物のなかを自由に歩き回りつつ、そこかしこでリアルタイムに進行するドラマを体験するイマーシブシアターで有名です。

トランスフォーマーは、ある意味でポケモンGOのフォーミュラに別の巨大IPを掛け合わせたもので、ゲームとしてはおおむね想像がつく一方、Punchdrunk との協業による作品は「エクスペリエンス」と表現されており、どんな作品であったのかは不明のまま。

ナイアンティックのARプラットフォーム Lightship が新バージョンで導入した目玉機能の VPS を使えば、現実の街角のロケーションで体験するイマーシブAR演劇のようなコンテンツが想像できただけに、中止になってしまったのは残念です。

Niantic創業CEOジョン・ハンケ氏インタビュー:『現実世界のメタバース』とARの未来(前編)

なお、ナイアンティックはポケモンGOの社会現象的ヒット以来あらゆるプロジェクトが100発100中であったかといえばそうでもなく、ポケモンに続く巨大IPのリアルワールド・モバイルゲームとして展開したハリー・ポッター魔法同盟はプレーヤー数が伸び悩みサービス終了済み。

またソフトローンチで限定的にテスト展開していたAR版『カタンの開拓者』も、リアルワールドにしても特に楽しくなかったのかテストだけで中止になっていました。

「選択と集中」で残す方に選ばれたタイトルは、発表されたばかりの『NBA All-World』のほか、ナイアンティック自身が開発する独自新規IPの『Peridot』が一部の地域でテスト展開中です。

ナイアンティックのコメントは、

「主要な優先事項に集中するため、いくつかのプロジェクトの生産を停止し、従業員を約8%削減することを決定しました。Pokémon GOや厳選された新しい体験、Lightshipプラットフォームなど、当社の最も重要な優先事項に集中できるようにしました。この集中力の向上と強力なコアビジネスにより、多くの企業が直面している幅広い経済の不確実性を乗り切り、ARの未来への投資を継続することができると考えています。Nianticを去る皆様の貢献に感謝し、サポートしてまいります。」

《Ittousai》
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