アマゾンは、英国での配送に、小さな電気トラックにも見える四輪の電動アシスト付きカーゴ自転車の投入を始めました。これは2030年までに配送の50%をカーボンニュートラルにするというアマゾンの気候変動に関する目標に向けた活動の一環です。
リリースによると、まずはハックニー・ロンドン自治区を皮切りにマイクロモビリティ・ハブを設置し、年間100万件以上の配送をこの電動アシスト付きカーゴ自転車または徒歩に置き換えるとのこと。
配送業務をカーボンニュートラル化すると言えば聞こえは良いものの、ロンドン市内では数年前から超低排出規制ゾーン(ULEZ)が指定され、徐々にその適用範囲が拡大されています。ゾーン内に排ガス基準を満たさない自動車やバイクで乗り入れると、ロンドン渋滞税に加えてULEZ走行料金も課せられるため、人力配送はこれを回避するための対策ともいえるでしょう。アマゾンはこのULEZでの年間配送の10%以上を今回の自転車投入と電気配送車でまかない、今後数か月のあいだにさらにマイクロモビリティ・ハブを設置していく予定です。
アマゾンは、英国ですでに1000台規模の電気配送車を使用していますが、それ以外の国々でも、たとえばフランスでは5都市で、ドイツでは7都市圏で電動アシスト付きカーゴ自転車を投入し、配送に利用しているとEuronewsは伝えています。特にフランスでは2021年11月には、パリ市内の配送の2/3が電動自転車、電動の配送バン、そして徒歩でまかなわれたとされます。また、イタリアやスペインでは電動スクーターでの配送も利用しているとのことです。
このような取り組みはアマゾンに限らず、配送業者の間で環境対策として一般的になりつつあります。たとえば物流大手のFedExはロンドン市内でやはり電動アシスト自転車を使用しており、ドミノピザは複数の都市で電動自転車のRad Power Bikesを提携により配送に利用しているとのこと。ドイツの運送会社DPDも、小型トラック風電動自転車の投入を予定していると報じられています。