マーベル、MCUフェイズ5・6新作と予告編を一挙発表。2025年は『アベンジャーズ』2本

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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SDCCことサンディエゴ・コミックコンで、マーベルが大量の新作映画・ドラマ情報を一挙に発表しました。

今年11月11日に公開予定の『ブラックパンサー / ワカンダ・フォーエバー』予告編初公開など発表済み作品の新情報から、まだ始まっていないMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)フェイズ5の概要、さらにフェイズ6を締めくくる2つの『アベンジャーズ』新作など、ファンにはタイトルを追って展開を想像するだけで目が回るような内容です。

『マルチバース・サーガ』は、フェイズ4から6で描かれる物語の総称。フェイズ1から3まで、『アイアンマン』から『アベンジャーズ:エンドゲーム』までは『インフィニティ・サーガ』でした。

ここでは発表済み作品・今回の新発表作品も含め、今後のマーベル映画とDisney+シリーズを公開・配信の時系列で整理します。

フェイズ4

2022年8月17日ディズニープラス配信

『She-Hulk: Attorney at Law』(邦題:シー・ハルク:ザ・アトーニー)

順風満帆に法曹としてのキャリアを歩むはずが、「ハルク」の力を得てしまい超人専門弁護士になったジェニファー・ウォルターズ(演タチアナ・マスラニー)が主人公。

予告編ではハルク / ブルース・バナー博士から力の扱い講義を受けるもののことごとくバナーより器用にこなしたり、普通ではないクライアントと事件に悩む姿も。

マーベルドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』公式サイト|ディズニープラス

2022年11月11日劇場公開

『Black Panther: Wakanda Forever』(邦題:ブラックパンサー / ワカンダ・フォーエバー)

MCUフェイズ4のフィナーレを飾るのは、2018年に大ヒットした『ブラックパンサー』続編、『ブラックパンサー / ワカンダ・フォーエバー』。マーベル世界で大きな役割を果たすアフリカの国ワカンダは地球上でもっとも先進的な科学力を備え未来的な大都市を擁するものの、敢えて真の姿を隠し歴史の表舞台に立たないことを選択していたという設定でした。

『ブラックパンサー』でタイトルキャラクターの主人公ブラックパンサー / ワカンダのティ・チャラ王を演じた俳優チャドウィック・ボーズマンは、2020年に43歳の若さで他界。2016年にステージIIIの大腸がんと診断されたのちもごく身近な数人のスタッフ以外には明かさず、闘病しながら『ブラックパンサー』や『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ:エンドゲーム』『Marshall』 (マーシャル 法廷を変えた男)含む映画の撮影に臨んでいたことが没後に明らかになり、大きな話題を呼んだのも記憶に新しいところです。

初公開のティーザー予告編では映画の世界で何が起こったのか仔細には語られませんが、失った同胞を悼む登場人物や、王を偲ぶ壁画と思しきものが描かれることから、ボーズマンが演じたティ・チャラ王も何らかの理由ですでに故人であることがうかがえます。

気になるのはティ・チャラの母であるラモンダが、世界一の大国の女王として何もかも望みどおりと思われているのに、家族はみな行ってしまったと嘆く台詞。夫たる先王ティ・チャカを暗殺で失い、息子ティ・チャラもすでに故人であるらしいことは予告編から分かりますが、ラモンダの娘、ティ・チャラの妹であるシュリ(演レティーシャ・ライト)は健在のはず。

シュリは『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』の「スナップ」(指パッチン)で5年間ほど消滅していたため、この時期の回想と考えることもできますが、あるいは新作の劇中でシュリの身にも何かが起きるのかもしれません。

ボーズマンの死を受けて、新作映画ではティ・チャラの妹シュリがブラックパンサーを継ぐのではという説が有力でした。ティーザー予告編では最後にブラックパンサーが登場するものの、誰がスーツをまとっているのか未確定です。

そのほか見どころは、ワカンダと敵対するアトランティスのネイモア / サブマリナーや、MCUドラマシリーズ新作『アイアンハート』の主人公リリ・ウィリアムズが登場すること。

フェイズ5

2023年2月劇場公開

『アントマン・アンド・ザ・ワスプ / QUANTUMANIA』

MCUフェイズ5は『アントマン』シリーズ三作目、2023年2月予定の『アントマン・アンド・ザ・ワスプ / QUANTUMANIA』で開幕。アントマン / スコット・ラング役ポール・ラッド、ワスプ / ホープ・ヴァン・ダイン役エヴァンジェリン・リリー、先代アントマン / ピム博士役マイケル・ダグラス、先代ワスプ / ジャネット・ヴァン・ダイン役ミシェル・ファイファーが再出演します。

確認されているキャストで興味深いのは、征服者カーン / ナサニエル・リチャーズとしてジョナサン・ メジャースが登場すること。ジョナサン・メジャースといえば、MCUドラマシリーズ『ロキ』で極めて重要な役を演じていました。

またフェイズ6の最終章二部作の第一作が『アベンジャーズ:Kang Dynasty』(カーン王朝)となっていることから、マーベル・コミックスでも強力なヴィランとしていくつもの姿で登場するカーンと、『ロキ』で明らかになったマルチヴァースや異なる時間軸の設定が大きく扱われることが予想されます。

2023年春ディズニープラス配信

『Secret Invasion』

サミュエル・L・ジャクソンがニック・フューリー、ベン・メンデルソーンがスクラル人タロスを再演。コビー・スマルダーズ演じるフューリーの副官マリア・ヒルも登場します。

地球人に擬態できるスクラル人による密かな侵略を描いたダークなスリラー。誰が化けているのか?いま話しているのは本物か?というスリルとサスペンスに満ちた作品になるとのこと。SDCCでは映像が先行公開されています。

2023年5月劇場公開

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOL. 3』

シリーズ三作目。SDCCでは「このチームメンバー」での活躍は今作で最後になること、喋るアライグマことロケットに焦点があたることが示されました。

2023年夏ディズニープラス配信

『ECHO』(エコー)

ディズニープラス配信の『ホークアイ』にヴィランとして登場したエコー / マヤ・ロペスが主人公。

ネイティブ・アメリカンがルーツで聴覚障害を持つアサシンとしてのオリジンストーリー。新シリーズが発表されたデアデビル含め、ニューヨークのご近所さんとして今後のストーリーに絡んでくることが予想されます。

『LOKI』シーズン2

ソーやアベンジャーズなどでヴィランだったり味方だったりする偽りの神ロキ(演トム・ヒドルストン)が主人公のシリーズ続編。

シーズン1は番外的なスピンオフだからこそ許される大風呂敷と思わせて、終盤にはMCU全体を揺るがすとんでもない展開になりました。

2023年7月劇場公開

『The Marvels』

宇宙を股にかけるキャプテン・マーベルことキャロル・ダンバース(演ブリー・ラーソン)と、彼女に憧れてコスプレしていたら行きがかりでスーパーパワーを身に着けてしまったミズ・マーベルことカマラ・カーン(演イマン・ヴェラーニ)が出会う作品。

2023年秋ディズニープラス配信

『IRONHEART』(アイアンハート)

アイアンマンのアーマーを独自に解析して改良版スーツを開発し、みずから身につけて活躍する天才少女リリ・ウィリアムズ(演ドミニク・ソーン)が主人公のシリーズ。リリは主役シリーズの前に、劇場のブラックパンサー / ワカンダ・フォーエバーに登場します。

2023年11月劇場公開

『Blade』(ブレイド)

半ヴァンパイアのヴァンパイア・ハンター、ブレイドを人気俳優マハーシャラ・アリが演じる吸血鬼モノ。ウェズリー・スナイプスが主演した1998年版の『ブレイド』は殺陣やポージングが無闇に格好良く根強いファンがいる作品です。

2023年冬ディズニープラス配信

『Agatha: Coven of Chaos』

MCUドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』からのスピンオフ。ワンダとヴィジョンのご近所さん(としか言えない)、アグネスことアガサ・ハークネス(演キャスリン・ハーン)が主人公。

2024年春ディズニープラス配信

『デアデビル Born Again』

2015年にネトフリで配信された『デアデビル』から続く新作。主人公のデアデビル / マット・マードック(演チャーリー・コックス)、宿敵キングピン / ウィルソン・フィスク (演ヴィンセント・ドノフリオ)が再び登場します。

ニューヨークのご近所つながりやキングピンがらみで、ホークアイ、エコーとも関連する内容。マット・マードックは弁護士として『シーハルク』予告編にも登場していました。

2024年5月劇場公開

『キャプテン・アメリカ New World Order』

キャプテン・アメリカの映画シリーズとしては4作目、かつMCUドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の続編。

スティーブ・ロジャース亡き後、キャプテン・アメリカを継ぐの継がないのと悩んでいたらそれどころではなくなったファルコン / サム・ウィルソン(演アンソニー・マッキー)が新キャプテン・アメリカとして活躍するはず。サブタイトルの New World Order / 新世界秩序は、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の第一エピソードのタイトルでした。

2024年7月劇場公開

『Thunderbolts』(サンダーボルツ)

まだ内容が予測できないMCU映画。マーベル・コミックスではバロン・ジモが結成したヴィランたちによるアンチヒーローチームで、アベンジャーズ同様にメンバーが入れ替わっています。

フェイズ6

2024年11月劇場公開

『ファンタスティック・フォー』

フェイズ6初の映画は、何度もリブートしては微妙な評価の『ファンタスティック・フォー』MCU版。

マーベル・コミックスでは歴史ある大物チームで、すでにMCUに登場している主要キャラクターとも大きく絡む存在のため、フェイズ5、6の中身を想像する上でも興味深い作品です。メンバーは伸びる男と消える女、燃える若者と岩男。

2025年5月劇場公開

『アベンジャーズ The Kang Dynasty』

まだフェイズ4が進行中なのに、フェイズ6のフィナーレまでがいきなり予告されています。フェイズ6は『アベンジャーズ』二部作 The Kang Dynasty と Secret Wars で終幕。

フェイズ3のフィナーレが『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ エンドゲーム』であったように、おそらくはフェイズ4、5、6の物語が絡み合うクライマックスのクロスオーバーイベントとして、半年明けて二本の『アベンジャーズ』が公開予定です。

Kang Dynasty はそのまま訳せば『カーン王朝』。征服者カーンはすでに『ロキ』にひとつの姿で登場していますが、コミックスでは時間を弄って未来から過去に侵攻してきたり、過去を変えようと試みて世界の分岐を招き別の時間軸の自分どうしで敵対していたりと、かなりなんでもありの人物。MCU版がどうなるのかはまだ未知数です。

2025年11月劇場公開

『Avengers: Secret Wars』

フェイズ6最終作。

ドラマシリーズの『Secret Invasion』(シークレット・インベージョン)は、キャプテン・マーベルで描かれた一大銀河戦争クリー / スクラルウォーを背景に、地球人に擬態するスクラルによる「見えない侵略」を描くクロスオーバーイベントシリーズでした。

2025年末とまだ遠いうえに、フェイズ6を構成する作品群は未発表のものもあると考えられるため、内容については現時点で未知数。少なくともクリー / スクラルウォーと、征服者カーンという原作コミックでの大きなできごとを踏まえた内容になるであろうことくらいしか分かりません。先のフェイズのサブタイトルが公開されたことで、ああでもないと想像して仮説を立てては披露しあうお楽しみの始まりです。

SDCC 2022: All of the Marvel Studios News Coming Out of Hall H at San Diego Comic-Con | Marvel

《Ittousai》
Ittousai

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