アンカー充電器GaNPrimeシリーズ発表。「ポートを気にせず繋げばOK」な便利仕様

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橋本新義

橋本新義

IT系とゲーム系のフリーライター(タイプ:出オチ)

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PCとキーボードやディスプレイなどの周辺機器、スマートフォン、シューティングゲームなどを好むおじさん。隙あれば出オチやネタ、製品にまつわる余談やいい話を組み込もうとして記事が長くなる程度の能力を持つ。アイコンは漫画家『餅月あんこ』先生の筆による似顔絵です。

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USB充電器(ACアダプタ)やモバイルバッテリーの大手であるアンカー・ジャパンが、現行モデルに比べてさらなる小型化と複数ポート化を図った新しいACアダプタシリーズ『GaNPrime』(ガンプライム)の6モデルを発表、1モデルを予告しました(上写真は、最大出力120Wモデル)。

これは、同社がこれまで比較的慎重だった「最大出力100W以上」「多ポート出力」といった仕様を本格的に導入し、加えてさらなる安全性を追求したシリーズ。名称の通り、GaN(窒化ガリウム)ベースのパワー半導体を搭載した高級(Prime)モデルです。

▲記者説明会で展示された、GaNPrimeシリーズのACアダプタ。左より65W、120W、150W、そして65W+モバイルバッテリーモデルです
▲出力調整はリアルタイム。「スマホの充電が終わったので、その分の電力をノートPCに廻す」といったことも可能です

さらに最大の特徴として、これまでUSB Type-Cの複数ポートを備えたACアダプタで宿命的だった、同時出力時の制限を大幅に緩和。1秒ごとに接続された機器の要求電力を監視し、出力を適切に振り分ける『Dynamic Power Distribution』(DPD)機能を搭載します。

これにより、機種ごとに細かな制限こそあるものの「ポートを気にせず接続するだけで、機器側の状態に合わせ可能な限り大出力ができる」仕様となりました(筆者を含めて、これを待っていた方も多いはず)。

さらに過電流や発熱を監視する安全機能も、1秒当たり35回もの測定により監視を行なうように改良。安全性の面でも強化を施されています。こうした特徴により、同社側は「“同時”急速充電という、新常識」とアピールします。


6モデルの内訳は、ACアダプタが3機種、そしてタップ一体型ACアダプタが2機種、そしてACアダプタ一体型モバイルバッテリーが1機種となります。

ここでは、ACアダプタの主力となりそうな小型モデルと、便利な仕様を備えたACタップを紹介します。なお、モバイルバッテリーと、1ポート140W(USB PD EPR対応)の大出力モデルに関しては、別記事で紹介します。

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総合120W級の本命か、Anker 737 Charger

今回アンカー側が真っ先に紹介した主力モデルが、『Anker 737 Charger』(GaNPrime 120W)です。1ポートあたり最大100W、総合120Wという大出力と、DPD機能によるほぼ出力制限のない多ポート化を兼ね備えたモデル。

販売価格は1万2990円(税込)。なおAmazonでの初回セールにて、1500個限定で10%割引となります。予約販売開始は7月26日、一般販売開始は8月29日です。

▲120W級も、ついにここまでの小ささに
▲出力端子はほぼ本体ギリギリのサイズ感です

端子はUSB-C×2+USB-A×1の「C2A1」タイプながら、横長状態での本体サイズは約80×43×32mm(幅×高さ×奥行)、重量約187gと、十二分に持ち歩けるサイズ。アンカー側は「一般的な96W充電器より約40%小型化」とアピールします。昨今流行の、コンセント側の面積を喰わない設計になっている点もポイントです。
(なお、6月23日に発売されたばかりのNano II 100Wこと『Anker 736 Charger』は、C2A1端子で約67×57×32mm、重量は約206g。同機は税込8990円なので価格差は相応にあるのですが、正直この発売タイミングにモヤっとしてるアンカーファンもいるのではないでしょうか)

多くのUSB PD対応ノートPCをカバーできる最大100W級、しかも多ポートでありながら、ライバルメーカーの65W級より一回り大きな程度に小型化した本機。価格はそれなり以上に高価ではありますが、いきなり次世代の本命的なモデルとなりそうな、ちょっと衝撃的な仕様です。


65W級ならここまで小さく、Anker 735 Charger

GaNPrimeシリーズ最小モデルとなるのが、『Anker 735 Charger』(GaNPrime 65W)です。販売価格は7990円(税込)。なおAmazon初回セールにて、2800個限定で10%割引に。予約販売開始は7月26日、一般販売開始は8月29日(120W版と同日です)。

端子数は120W版と同じく「C2A1」ことUSB-C×2+USB-A×1の構成で、最大出力は65W。DPD機能により、複数ポート同時利用時の制限が非常に緩い点も共通です。

注目の本体サイズは約66×38×29mm、重量は約132g。120W版に比べて幅(ユーザーの感覚では奥行)が一回り短くなり、また55gほど軽くなるため、実際に持ってみるとかなりの差と感じます。

▲左端が本機こと65W版。右となりの120W版と比べ、USB-C端子間はかなり狭めに

ただし、この小ささで3ポートを詰め込んだため、USB-C端子間はかなりギリギリな印象。ケーブルによっては留意すべきポイントともなりそうです。


PowerPort SlimがAC付きに、727 Charging Station

電源タップ一体型の注目機が、『Anker 727 Charging Station』(GaNPrime 100W)です。

販売価格は1万2990円(税込)。なおAmazonの初回セールにて、400個限定で10%割引となります。予約販売開始は7月26日、一般販売開始は8月29日です。価格的には、120W版ACアダプタと同じとなるのが面白いところ。

▲USB端子側を見ると、PowerPort Slimにかなり似ています

特徴は、USB-C×2+USB-A×2に加え、ACポート×2の合計6端子を備える点、そしてUSB-C側の最大出力が100Wとなる点(AC側の定格出力は1000W)。
ただし端子の多さゆえか、単体ACアダプタほどの制限の緩さはなく、たとえば全ポート使用時は最大90Wに、USB-C×2使用時は65+30Wの制限が加わります。

▲AC側に機器を挿すと、このように周囲が飛び出すギミックが。気になる脱着はスムーズです

そしてもう一つの特徴が、本体サイズは約161×79×18mm、本体重量は約400gと、機能の割にコンパクトな点。ACケーブルは脱着式となっており、外した状態では「iPhone 13 Proとほぼ同サイズ」とアピールします。

なお、18mmという薄さは、ともすればACプラグがギリギリ。そのため本機には、「ACポートに機器を接続すると、機械的に自動で周囲が盛り上がり、高さを確保する」という凝った機構もあります。

従来同社のタップ一体型ACアダプタは、USB側の出力が控えめでしたが、本機はそうしたムードを一新する、実用性に優れたモデル。本体の薄さや端子側のデザイン、機能などからすると「同社のPowerPort SlimシリーズがAC兼用になった」モデルと呼べそうです。


小旅行などに最適な615 USB Power Strip

電源タップ一体型の手頃なモデルが、『Anker 615 USB Power Strip』(GaNPrime 65W)です。本体に巻き付けて収納できるACケーブル(約0.9m)が直付けとなった、C2A1+AC×2、最大65W対応のモデルです。

販売価格は6990円(税込)。なおAmazon初回セールにて、700個限定で10%割引に。予約販売開始は7月26日、一般販売開始は8月29日(他モデルと同日です)。

最大の特徴は、2つのACポートを搭載する点(1つは裏面側にあります)。約119×59×47mm、約300gの本体ながら、最大5台の機器に同時充電・給電が可能です。またケーブル直付けなので、旅行の際にありがちな、なぜかケーブルを忘れてしまうトラブルに対して安心な点もポイントでしょう。

ただしこちらも、単体ACアダプタほどの制限の緩さはない仕様。USB-C×2使用時は最大65Wをキープしますが、全ポート使用時などは最大62Wに制限されます。



▲本体の小型化を実現したのが「従来1チップ化されていたパワー半導体を、あえて別チップに分ける」という逆転の発想。基板上の面積は増えますが、放熱機構の有利でトータルはプラス、という考え方です
▲パワー半導体の“カスタム度”が大きいため、今回アンカーはGaNパワー半導体を代表する5社と提携。本気の証です

このようにGanPrimeシリーズのACアダプタは、これまで以上に小型化が進んだユニークな製品と呼べる仕様。価格は上位モデルということもあり高価ですが、その分をカバーできるコンパクトさや出力の大きさ、使い勝手が魅力です。

とくにACアダプタの120W版と65W版は、それぞれのクラスでの新定番となりそうな、非常に魅力的なモデルとなっています。

●Source:アンカー GaNPrimeシリーズ

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《橋本新義》
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