次期「iPhone 14」のうち高価なProモデルでは、Apple Watchのような常時表示が可能になると予想されています。つまりロック状態の画面でも真っ暗にならず、リフレッシュレートを落として節電しつつ時計やウィジェットや通知を表示し続けられる、というわけです。
その有力な手がかりと考えられるものが、最新のXcode 14ベータ(アップルが提供するアプリ開発環境)内から見つかりました。
開発者のSteve Moser氏は米MacRumorsで、Xcode 14ベータ版には「有効になると画面上のウィジェットのディテールを消す」というロック画面の仕組みがあると報告しています。
ツイートに添付された画面は右がロック前、左がロック後。ロック前にはクジラにかかっていたテクスチャがロック後にはなくなり、グラフィックが簡略化されているというわけです。
また同じくiOS開発者のrhogelleim氏も、通常はカラフルなウィジェットがロック後にはモノクロになる挙動があるとして、常時表示に関係あるかもしれないと述べています。
これに先立ち米9to5Macも、iOS 16では壁紙に「スリープ」状態があり、有効になれば壁紙が暗く色あせた感じになること、それはApple Watchの常時表示と似ていると指摘していました。画面の明るさが落ちれば、バッテリーの節約にも役立つだろうというわけです。
アップルの社内情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者(リーカー追跡サイトAppleTrackにも登録あり)は5月、WWDC 2022直前に、iOS 16にはiPhone 14 Pro向けの「常時表示のロック画面に備えた将来のサポート」が含まれていると聞いた、と述べていました。
実際にiOS 16が発表された際には、アップルはひと言も常時表示には触れていません。が、一見して地味な「ロック画面のパーソナライズ」が不自然に強調されていたことから、同社は後々それをiPhone 14 Proの常時表示と組み合わせてアピールするだろう、との憶測も浮上していた次第です。
なぜ常時表示がiPhone 14 Proモデル限定と言われるかといえば、それに必須のディスプレイ技術を備えていると予想されるからです。iPhone 13 Pro世代では10Hz~120Hzの可変リフレッシュレート(アップル用語ではProMotion)を実現していましたが、iPhone 14 Proでは1Hz~120Hzに改善され、下限が1Hzになることで時刻やウィジェット、通知を表示しつつ節電する常時表示にとって理想的になると見られています。
画面をスリープさせず情報を映し続ける常時表示は、すでにAndroidスマートフォンでも実現しているもの。が、それと引き換えにバッテリーの消耗も多くなります。アップルは競合他社より「遅れてくる」だけに、なるべく欠陥を潰した上で常時表示を投入するのかもしれません。
それとは矛盾するようですが、実はiOS 16内には隠しフラグがあり、アップル社内ではそれを有効にして本来はサポート対象外のデバイスでも常時表示をテストしているとの噂もありました。もしかしたらiPhone 13 ProやiPhone 13 Pro Maxでも、少し節電効果が落ちた常時表示ができるサプライズの可能性もありそうです。
Source:MacRumors