新しい iPhone 「iPhone 14」(仮)シリーズの発表は、急な変更がないかぎり9月上旬に迫っていると思われます。ほぼ予想スペックが出尽くしているなかで、もっぱら注目が集まっているのが「お値段」でしょう。
Proがつかない「iPhone 14」については、全世界的にスマホ売上が冷え気味なこともあり、落ち込みを打ち消すために価格を据え置き、つまり「iPhone 13から(ドル建て価格で)」値上げしないとの噂もありました。
では、従来よりお高い「iPhone 14」 Proモデル2つ、おそらく6.1インチと6.7インチはどうなるのか? こちらは13 Proより値上げになると予測するアナリストがいます。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏は、iPhone 14シリーズのASP(平均販売価格)は13よりも約15%上がり、それは2つのProモデルが値上げされて出荷の比率も増やされるからだと述べています。
あくまでASPとは「最新iPhone全ての販売額を合計し、それを台数で平均した」数値であり、特定の機種が15%上がるというわけではありません。高価なProモデルの比率が増えて(比較的)安い標準モデルの比率が減り、1台当たりの売上が底上げされるということ。それはKuo氏が、7月初めにも述べていたことです。
もちろん「同じストレージ容量で値上げ」の可能性もありますが、有力視されているのが「最低ストレージが増やされ、それに伴いベースモデルの価格も上がる」事態です。じっさい6月、台湾の調査会社TrendForceはiPhone 13 Proは128GB~だったが、iPhone 14 Proは256GB~になるとの予想を明かしていました。
つまりiPhone 14 Proは開始価格は高くなるにせよ、256GBなど同じストレージ容量であれば、13 Proと変わらない可能性も残されているわけです。128GBで十分、本体がなるべく安ければいい人には朗報ではなさそうですが、最新Proモデルは8Kビデオ撮影も可能(=動画のデータ容量も膨れあがる)といわれ、最低256GBを内蔵しておくのは妥当なセンかもしれません。
これまでの噂を総合すると、iPhone 14 Proモデルの強化点は最新の「A16 Bionic」チップを搭載、ノッチ(画面上部の切り欠き)を廃止して「パンチホール+ピル」(横長と丸の穴)デザインに移行、背面のメインカメラの解像度は(12MPから)48MPとなり8Kビデオ撮影あり、自撮りカメラはオートフォーカス(AF)対応、高速RAM採用(以前のLPDDR4XからLPDDR5に変更)、ディスプレイは時刻やウィジェットなどを常時表示、といったところです。
かたや標準モデルはノッチが続投、プロセッサもA15を引き継ぎ、自撮りカメラはAF対応になるがメインカメラ変化なし。まとめると「iPhone 13とほとんど変わらない」ことになりますが、RAMが4GBから6GBに増やされ、内部設計やモデムチップも更新されて、先代よりは性能アップとの見方もありました。
いくらProモデルが魅力的と言っても、そろそろ不況の足音が聞こえてくる中ではあまり売れないのでは……というのは凡人の発想らしく、アップルは引き続き旺盛な需要を見込んでいる模様です。米Bloombergによれば、昨年同時期のiPhone 13と同等の9000万台ものiPhone 14シリーズ製造をサプライヤーに要請しているそうです。
しかし、台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesでは、サプライチェーン筋の「2022年第4四半期末~2023年第1四半期初めにかけて、新モデルの需要につき(値上げもあり)不確実性が残っている」との声が報じられています。そちらがふつうの感覚だと思われますが、アップル経営陣ともなれば何もかも見通せる洞察力が備わっているのかもしれません。
Source:Ming-Chi Kuo(Twitter)
via:MacRumors