アップルがダミー会社を通じて「Reality One」「Reality Pro」「Reality Processor」の商標を取得していたことが分かりました。
以前アップルのコードから見つかった「RealityOS」の記述や、実態のない会社を通じた商標登録とあわせて、アップルが開発中の AR / VR ヘッドセットの商品名、プロセッサのブランドになる可能性があります。
アップルがいわゆるVR / ARヘッドセットを開発してきたことは、人材のヘッドハントや要素技術を持つ企業の買収、特許の取得などから公然の秘密となっており、CEOのティム・クックも関連した質問に直接の明言は避けつつ「乞うご期待」と答えるなど、あとは正式な発表を待つばかりといった状況です。
『AppleのARグラス』はM2チップと16GB RAM搭載?うわさも順当にアップデート
「Reality」や「Reality OS」(または「rOS」「realityOS」)については数年前からうわさが続いてきたほか、今年2月にはアップルのOSSディストリビューションからそのものの文字列が開発ターゲットOSのひとつとして見つかっています。
また 「RealityKit」はARアプリ開発用のAPIとして、iOS / iPadOS / macOS向けに以前から提供中です。
今回の「Reality One」「Reality Pro」「Reality Processor」を登録したのは「Immersive Health Solutions LLC」 なる企業。出願中の商標を発見した Bloomberg によれば今年2月にまた別の会社を通じて登記されたばかりの実態のない会社で、アップルがステルスモードで商標等を登録する際に使うダミー会社とみられます。
Apple の AR / VRグラスについては、iPhoneに接続して使う形式、メガネ部分とプロセッサユニットがセパレート型、メガネ型の本体にすべて収めたスタンドアロン型などなど、おそらくアップル社内で検討が進むと同時にうわさも流れてきました。
最近の情報では、現行最新の MacBook と同じ M2ベースのプロセッサを搭載したスタンドアロン型で、カメラで取得した外部の映像にグラフィックを重ね合わせるビデオパススルー式のARデバイスになり、MacBook Proクラスの高価格な製品と考えられています。
もし今回の商標がそのまま使われると仮定した場合、AR / VR メガネの名称が「Reality One」、上位版が「Reality Pro」、駆動するM2ベースのチップが「Reality Processor」と呼ばれるのかもしれません。
発表・発売の時期については、ここ数年ほど「早ければ来年にも」が続いてきました。今年の開発者イベントWWDCでは影も形もなく、9月7日のスペシャルイベントはおそらく iPhone と Apple Watch、10月には iPadとMac発表と渋滞していることを考えれば、早ければ2023年に発表、同年内または2024年に初号機の発売となるのが順当と思われます。
アップルのAR/VRヘッドセットは第二世代から廉価版も追加、2025年発売?著名アナリストが予測
価格については、初代モデルは主に開発者向けを想定した非常に高価な製品になると見られるものの、次の世代からは普及版も加わるとのアナリスト予測もあります。
高精度なビデオパススルーを通じたAR機能にも対応する高性能VRヘッドセットといえば、MetaもQuest の新製品、おそらく「Meta Quest Pro」を今年10月にも正式発表する見込みです。
Meta Quest Pro(仮)は10月発表。視線や表情トラッキング対応の高級VRヘッドセット